猪瀬直樹知事の辞任表明により、各党は次の東京都知事選挙に出馬する候補者選びを本格化している。与党は短期決戦を理由に「知名度」のある候補者の擁立を目指しているが、一方で、特定秘密保護法反対や脱原発が争点になることを不安視している。テレ朝newsが報じた。
与党内では「短期決戦だから知名度が最優先」という点で一致しています。ある自民党幹部は「相手は東国原氏になるだろう。東国原氏に勝てる知名度のある人を探さないといけない」としています。
ある自民党関係者は「政党の論理で勝てる候補を選んでも、無党派層が納得するかどうか」と、無党派層対策への危機感を隠しません。そのうえで、「東京は『脱原発』で山本太郎議員が当選するようなところだ。特定秘密保護法反対、脱原発を政策にされるのが、今、一番怖い」と不安顔です。
(テレ朝news「永田町で「勝てる候補」探し加速 五輪・知名度で…」より 2013/12/19 16:57)
■なぜ山本太郎氏が当選できたのか
山本太郎氏は2013年の参院選で、東京選挙区に無所属で出馬。66万票以上を獲得し、4位で当選した。「市民の力だけで勝つ」と複数政党からの推薦を断り、「脱原発」の訴えを続けたことが、有権者に響いた。
参院選では、福島を含めた多くの原発立地地区で自民党が圧勝した一方、東京では山本太郎氏が当選した。この状況について、ジャーナリストの武田徹氏は、次のように分析した。
山本にとって脱原発とは被曝リスクをゼロにするために必要なものと位置づけられている。その立場は同じように311の原発事故後にわかに被曝リスクゼロを強く願うようになった都市圏の脱原発指向と共振・共鳴し、投票行動を促した。
低線量被曝による晩発性障害の発生が完全に否定できないと聞いて、できるだけ被曝を避けたいと願う心情を持つに至るプロセスは十分に理解できる。だが、そうした心情をそのまま現実の投票行動に結びつけられるのは、原発立地から遠く離れた都市圏の特権であることもまた事実だろう。
(ハフポスト日本版「山本太郎の当選は「終わりの始まり」か? | 武田徹」より 2013/07/22 09:09)
武田氏は、原発立地地元民が自民党を選ぶことしかできなかった状況を変えることができないのであれば、山本氏の当選は「全国的な脱原発への第一歩になるどころか、むしろその独善性が明らかになって都市部の脱原発運動自体が自壊してゆく『終わりの始まり』となろう」と指摘している。
■各党の候補者選びと政策は?
安倍首相が候補者選びについて「国としっかりオリンピックの準備が出来る人を」と注文をつけるなど、自民党は「オリンピック」というキーワードを強調している。
候補者として名前が浮上している人のうち数名も、元スピードスケート選手の橋本聖子参院議員や、下村博文・文科相など、オリンピック招致に関わっている人物だ。
NHKによると自民党と同様、「オリンピックへの対応」を引き合いに出しているのは、結いの党や、生活の党だ。社民党は、脱原発や護憲を軸として、民主主義を大事にする人を推進したいとしている。
他の党については、政策について言及している報道は、現時点ではない。民主党は、都知事選に勝利すれば国政での反転攻勢とし、与党との相乗りはしない方針を確認している。
党内では、蓮舫参院議員(東京選挙区)や菅直人元首相(衆院比例東京)の名前が浮上するが、党勢がいまだ低迷する中で「候補を立てても自民党に勝てるのか」(参院ベテラン)と冷ややかな声が漏れる。
(時事ドットコム「後継候補、一長一短=与野党とも難航の可能性-都知事選」より 2013/12/19 21:00)
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