特許庁は9月1日から、全職員について、対外的な法令上の文書における旧姓使用を認める運用を開始した。業務効率化と女性職員の意欲向上などが狙い。中央省庁での同運用導入は初めてという。
従来、日本の官公庁では、作成者の同一性確保のため、公的文書で職員が旧姓を使用することを認めていなかった。
特許庁は、他の官公庁に先駆けて文書における旧姓使用を認める理由として、以下の3点を挙げている。
●適切な管理を行えば、文書作成者の「同一性」は十分確保できると考えられること
●既に省庁で旧姓を使用している職員にとっては、対外的な文書においても旧姓を使用した方が合理性・利便性が高いと見られること
●旧姓を使用する人の大半を占める女性職員の意欲向上につながると期待されること
特許庁では、7月5日に女性として初めて長官に就任した宗像直子氏が、旧姓で長官名の文書を出している。この取り組みが全職員に拡大される形だ。
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旧姓の使用をめぐっては、最高裁も6月28日、判決文などの裁判文書で裁判官の旧姓使用を9月から認めると発表している。公的機関での旧姓使用が今後もひろがりそうだ。