トイレの操作ボタン、分かりやすく統一 外国人の利用快適に

外国人からの使いづらいとの意見を踏まえてトイレの操作ボタンの新しい統一表記を作成しました。

訪日外国人観光客にトイレを快適に使ってもらおうと、日本レストルーム工業会は1月17日、温水洗浄便座の操作ボタンである絵表記(ピクトグラム)について、8つの統一デザインを作成したと発表した。これまで各メーカーがそれぞれの表記を使っていたが、機能が分かりづらいと外国人が利用を敬遠していた。統一表記は使用義務はないが、2017年4月以降の新製品から順次採用される見通し。

日本レストルーム工業会によると、統一表記は、「ふたの開閉」、「便座の開閉」、「便座洗浄(大)」、「便座洗浄(小)」、「おしり洗浄」、「ビデ洗浄」、「乾燥」、「止める」-の8種類。同会に加盟する各メーカー9社で共通する機能にしぼった上、日本人や外国人を対象としたWebアンケートの結果を踏まえ、日本語が読めない人に向けた「直感的な分かりやすさ」を考慮して新しいデザインを決めた。

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各メーカーは現在、それぞれ10前後の表記を使用。「おしり洗浄」の表記一つをとっても、水流のみ、おしりと水流、横向きの人と水流、ノズルのみ-といったように、さまざまなデザインを採用している。大手トイレメーカーTOTOが2014年、外国人600人を対象に行ったトイレに関するアンケートでは、4割以上が「さまざまな操作ボタンの役割が分からなかった」と回答。メーカーごとに表記が違うため、外国人が使いづらいと感じていることが分かった。

アメリカ、イギリス、シンガポール3カ国の計330人を対象に、日本レストルーム工業会が実施した調査でも、日本の温水洗浄便座を知っていると回答した人は7割に上る一方、実際に利用したと答えたのは数%にとどまった。今回の統一表記の作成により、担当者は「外国人の方に使ってもらう一つのきっかけになれば良い」と期待している。

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