タバコを吸っていなくても、他の人のタバコの煙を吸ってしまうと身体の健康に様々な悪影響を与えます。子どもにアレルギー症状が見られることが親の喫煙と関連しているか調べられました。
◆親の喫煙と子どものアレルギー症状
今回の研究は、3,316人を対象に、生まれてから16歳になるまで調査が行われました。受動喫煙の頻度、アレルギーの症状が保護者のアンケートによって調べられました。そして、食べ物のアレルギー症状を起こす抗体が4歳、8歳、16歳時に検査されました。
◆親のタバコの煙を吸うことが食物アレルギー、湿疹と関連
次の結果が得られました。
妊娠中の曝露がなく、乳児期に受動喫煙にさらされる事は、4歳の時点で食べ物による感作のリスクが高い事と関連していた(オッズ比 1.47、 95% 信頼区間 1.08-2.00)。 8歳時と16歳時のオッズ比も同様だった。
感作と同時に起こったアレルギー症状を合わせた時、乳児期の受動喫煙は湿疹をともなう感作全体のリスクが高くなることと関連した(オッズ比 1.62、95% 信頼区間 1.20-2.18)。
喫煙は周りの人にも影響を及ぼしてしまいます。親がタバコを吸っている環境のなかで子どもが育つと、乳幼児突然死症候群の危険が増えるだけでなく、食物アレルギーや湿疹になりやすくなってしまうかもしれません。子どもを健康に育てるためには、タバコが周りの人に及ぼす影響を再認識する必要があります。
MEDLEYの「アレルギー性鼻炎」のページでは、医師たちによるさらに詳しい疾患情報も紹介しています。下記のタバコとアレルギーに関する記事とあわせてご活用ください。
Written by 宮本 望都喜
◆参照文献
Parental smoking and development of allergic sensitization from birth to adolescence.
Allergy. 2016 Feb.
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