PRESENTED BY アイ・ネクストジーイー

今日も、1分間に1人が殺されている。違法銃器から生まれた時計が伝える、地球の裏側で起きていること。

スウェーデン発、ファッションによる「身に着ける」社会貢献って?
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anadorado via Getty Images

世界中の海を漂う1.5億トンものプラスチックごみ、中南米を中心に、1分に1人以上の犠牲者を生み出している違法銃器、LGBTQへの関心と理解の不足...。世界の“社会問題”を、「ファッション」で解決しようとするプロジェクトを知っていますか? 

その名前は、“Time for Change”。「ファッションアイテムである時計という身近な物から、様々な社会問題を知るきっかけにしたい」という思いから、スウェーデンのウォッチブランド「TRIWA(トリワ)」が2018年にスタートさせた取り組みです。

日本では、レジ袋の有料化で改めて注目を集めているプラスチックごみ問題。一方で、「違法銃器」という言葉は初めて耳にする、という人も少なくないかもしれません。

この腕時計が生まれる背景にある、世界の実情を見てみましょう。

命を奪う違法銃器から、生み出されたもの

現在、世界に5億丁あると言われている違法銃器。密造された銃器や、所持・使用・販売の登録がされていない銃器のことを指します。日本に暮らす私たちには想像し難い現実ですが、違法銃器による暴力事件で、毎分1人以上の犠牲者が出ているのです。(※)

特に発展途上国では、銃器を密造して売ることで生計を立てている人がたくさんいます。国の情勢が安定せず内戦が繰り返されたり、雇用の機会がなく貧しい生活から抜け出せなかったり。その背景には、深刻な社会問題が絡み合っています。

世界各地で様々な“犠牲”を生み出す違法銃器をなくそうと活動を続けているのが、スウェーデンのNPO団体「IM Swedish Development Partner」です。1938年から、武器による暴力行為の撲滅に向けた活動を世界各地で続けているIM。その解決手段の一つとして、違法銃器を溶かして「Humanium Metal(ヒューマニウムメタル)」という新しい金属を作り出しました。

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違法銃器を分解して溶かし、Humanium Metalを作る。
TRIWA

ヒューマニウムメタルによる違法銃器撲滅プロジェクト。IMが最初の地に選んだのは、中米の小さな国・エルサルバドル共和国でした。

高品質のコーヒー豆生産地である一方、「世界一治安が悪い」と表現されることもあるエルサルバドル。1980年から約12年続いた内戦中に流出した大量の銃器が未だにはびこっており、違法銃器を使用した犯罪集団による治安の悪化が大きな問題になっています。

IMは地元当局と協力し、およそ6000丁の違法銃器から、1トンを超えるヒューマニウムメタルを生産。この金属を使用して腕時計を作ったのが、IMと同じ、スウェーデンで生まれたウォッチブランド「TRIWA(トリワ)」です。

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TRIWA

Time for Changeプロジェクトの第一弾として、ヒューマニウムを使った世界初の腕時計 “Time for Peace”シリーズを2018年に発売してから、同社は、紛争地域の復興、武器による負傷者の支援のために売上金の寄付を続けています。現在までに1000万円以上をエルサルバドルのNPO団体に寄付しており、その寄付金は、違法銃器に頼らない、新たな雇用機会の創出や、教育、リハビリ支援の活動に充てられているそうです。 

命、平和、安全な暮らし...様々な “犠牲”を生み出してきた違法銃器を溶かして作られた腕時計。その“重み”には、多くの人の思いが込められています。

素材だけじゃない、「デザイン」でも社会貢献

プロジェクト第二弾として今年発売されたのが、世界中の海から集めたプラスチックごみを100%リサイクルして作られた“Time for Oceans”です。

海洋プラスチックごみをアパレルや家具、時計などの安全で有用な製品に変えるためのプラスチック再生技術を持つ、スイスの#tide ocean material社とのタッグで、プラごみは太陽エネルギーでビーズ状になり、腕時計のストラップ、ケースに生まれ変わりました。

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TRIWA

現在、世界25カ国で販売されており、同社史上最も反響を得ているそうです。

「Time for PeaceもTime for Oceansも、状況の変化を長期的に見て、問題の解決につなげていく必要がある。これからは、社会問題の認知と解決につながるTime for Changeプロジェクトを中心にした商品展開を行い、ファッションによる社会貢献という活動に、より継続的、精力的に取り組んでいきたい」

その新シリーズとして8月7日より発売しているのが、“Time for Love”。世界中で課題になっている、LGBTQへの関心や理解促進のために作られた腕時計です。

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TRIWA

LGBTQという言葉の認知度は高まっているものの、その当事者を知り、直面している問題を理解する、という点ではまだまだ進んでいないのが現状。関心の無さ、理解不足による差別や偏見が問題となっている地域も少なくありません。

ひと目見るだけで、LGBTQに関心を持つ“一歩”につながれば──。そんな思いが込められた腕時計は、ブラックの文字盤にワンポイントのレインボーカラーが際立つシンプルなデザイン。世界中で行われるプライド・パレードの盛り上がりもあり、レインボー=LGBTQプライド、というイメージが少しずつ広まる中、この腕時計が誰かの目に入ることでLGBTQに関心を持ち、理解しようとする人が増えていくかもしれません。

また、Time for Loveの売り上げの15%は、ロシアのLGBTQ支援団体へ寄付されることが決まっています。世界各地でLGBTQの権利獲得が進められる一方で、同性愛者への弾圧など、LGBTQへの政府による迫害が未だに報じられるロシア。そうした状況を変えていく狙いです。

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TRIWA

気に入ったデザインの腕時計を身に着けるだけで、世界のためになる。そんなカジュアルな社会貢献のあり方を発信し続けるのが、同社のTime for Changeプロジェクトです。 

みなさんも「身に着ける」社会貢献、始めてみませんか? 

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▶︎Time for Peace
https://www.nordicfeeling.jp/release/200406/
▶︎Time for Oceans
https://www.nordicfeeling.jp/release/200529/
▶︎Time for Love
https://www.nordicfeeling.jp/release/200731/

※IM Swedish Development Partner「Humanium Metal by IM」による
https://www.imsweden.org/en/what-we-do/humanium-metal-by-im/
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