中国の宇宙実験室、制御不能で地球落下へ 場所は予測不明

「天宮1号」が制御不能になり、2017年後半から2018年初頭に地球に落下するとみられる。
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天宮1号のイメージ
Ho New / Reuters

中国が2011年に打ち上げた宇宙実験室「天宮1号」が制御不能となり、数カ月以内に地球に落下するとみられることが明らかになった。英紙ガーディアンなどが10月13日、報じた。

天宮1号は2011年9月、中国初の有人宇宙ステーションの建設を目指し、宇宙船とのドッキング実験のため打ち上げられた。2012年6月に有人宇宙船「神舟9号」とドッキングし、宇宙飛行士3人が天宮に乗り移った。全長は10.4メートル、重さは約8.5トン。

ガーディアンによると、天宮1号は2016年3月に運用を終え、同年9月ごろ制御不能になったという。これを受け、中国は2017年10月から2018年4月の間に地球に落下する恐れがあると国連に通知した。

天体物理学者のジョナサン・マクダウェル氏は、落下する期間は「2017年後半から2018年初頭」と分析。「大部分は大気圏への突入時に燃え尽きるとみられる」とした上で、「重さ100キロ程度の部品が地球に落下する」があると指摘している。

地球上は、海の面積や人が居住しない地域が広いため、人口過密地域に落下する可能性は低い。しかし、落下場所の予測は直前まで困難とみられる。

毎日新聞によると、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「落下の可能性が指摘されていることは承知しており、情報収集に努めている」とコメントしている。

中国は、2020年前後には飛行士が長期滞在できる本格的な有人宇宙ステーションの完成を目指している。