ドイツの環境活動家が10月23日、気候危機に対するの抗議の一環として、ポツダムにあるバルベリーニ美術館に展示されていたクロード・モネの「積みわら」に、マッシュポテトを投げつけた。
この抗議活動を実行したのは、ドイツの環境保護団体「ラスト・ジェネレーション」の活動家2人だ。
9日前の10月14日には、イギリスのナショナル・ギャラリーで、環境活動家2人がゴッホの代表作「ひまわり」に缶入りのトマトスープをぶちまけ、化石燃料の新規プロジェクト停止を求めている。
今回のアクションも気候問題に警鐘を鳴らすことが目的で、ラスト・ジェネレーションは「化石燃料を使い続ければ私たちは殺される、ということを思い出してもらうために、絵画にマッシュポテトやトマトスープをぶちまける必要があれば、私たちはそうする」と説明している。
また、2人の活動家たちはマッシュポテトを投げつけた後、壁に手をつけて「人々は飢えている。人々は凍えている。人々は死んでいる」と叫んだ。
「我々は気候大惨事のまっただ中にいます。それなのにあなたたちが心配しているのは絵画の上のトマトスープやマッシュポテトのことばかり」
「私が恐れているのは、2050年までに家族を食べさせられなくなるという科学の警告です。絵画にマッシュポテトを投げつければ、耳を傾けてくれるのでしょうか?」
「私たちが食べ物を争うようになった時、この絵には何の価値もありません。いつになったら聞いてくれるのでしょうか。ようやく耳を傾け、普段と変わらない日常をやめるのでしょうか」
NBCによると、活動家ふたりは警察に逮捕され、器物損壊と不法侵入の容疑で取り調べを受けている。
また「積みわら」はガラスで保護されていたため、「ひまわり」同様に損傷はなかったという。バルベリーニ美術館は、早ければ26日から再び一般公開されるとしている。
ラストジェネレーションはウェブサイトで「私たちは社会が崩壊するのを食い止められる最後の世代だ」と、自らの団体について説明している。
そして「私たちはもうこれ以上、人類に対する犯罪を抵抗なしに受け入れない。次々と国が崩壊しているのをただ待つことはない。最後には、我々全員が危険にさらされる」と訴えている。