過去数週間、ソーシャルメディアは(#ALSIceBucketChallenge)で湧き立っている。有名人、ハイテク業界の大物、政治家、そして世界中の人々が氷水の入ったバケツを握って、頭からそれらを被っているからだ ――彼らはALS、ルー・ゲーリック病としても知られる筋萎縮性側索硬化症への認識を高めるために集まった。
大笑いするようなものもあればシリアスなものまで、アイス・バケツ・チャレンジの動画は山ほどあるから、アンソニー・カルバハルという名の男性が8月18日にアップロードしたこの動画は飛ばしたくなるかもしれない。しかし、バイラルメディア「Upworthy」が述べた通り、この動画は「本当に見るべきもの」の一つだ。
写真家のアンソニーがネオンカラーのビキニトップで着飾って、氷水をぶっかける前に車を石鹸で洗うユーモラスな場面から、この動画は始まる。
「うん、恐らくこれは、これまで僕の生涯の中で一番恥ずかしいことだったよ」。
しかし、動画は約2分を経過したあたりから、一転してシリアスになる。アンソニーがこのチャレンジを行うために選んだ理由を説明するからだ。
「僕は生まれてきてからずっと、ALSをとても怖がってきた。僕の家系は、ALSに罹りやすいんだ」
アンソニーは泣き崩れながら続けた。
「僕のおばあちゃんもALSだった。彼女は僕にとって2番目の母親みたいなものだった。僕が高校生のとき、母親がALSだと診断された。そして5カ月前の26歳の時、今度は僕がALSだと診断されたんだ」
「ALSは、本当に本当に怖いものなんだ。あなたたちには全然わからないかもしれないが」
アンソニーは、もう既に指の動きを失い始めているという。最終的にはアンソニーも他のALS患者のように、自力で歩くことも、話すことも、食べることも、そして呼吸をすることもできなるなるだろう。
動画の中で、アンソニーは介護なしでは歩くことも食べることもできない母親を世話する姿を見せている。「ALSについて、僕は話すことが嫌いなんだ」とアンソニーはクリップの中で述べている。「だって、恐らく誰もそのことについて喋らないからね……だからこそ、みんなに見てもらって、話してもらおうというチャレンジなんだよ、これは。誰も、死んでいく運命の気の滅入るような人たちなんか見たくなんかないからさ……誰も、そのことについて喋りたくなんかないよ。誰も自分たちの人生を無駄にしたくはないからね」。
しかし、私たちはこの議論を絶やさないようにしなければならない。そうすることで、製薬会社や他の企業がこの不治の病の治療法を開発する後押しとなり続けるのだから、とアンソニーは述べる。ALS協会によれば、アイス・バケツ・チャレンジのおかげでALS研究と患者ケアのために、これまで3100万ドル以上の資金が集められている。
「今回の支援は、ALSにとって初めて好結果をもたらしたと思う。僕は、本当に、本当に感謝しています」とアンソニーは述べた。
「一つ一つのチャレンジが、どれだけ僕の心を動かして、僕の気持ちを奮い立たせてくれて、一人一人のALS患者の気持ちを奮い立たせてくれるか、あなたたちにはわからないかもしれない。でも、あなたたちが、本当に力を発揮してくれたんだ」。
下部にある「寄付」ボタンを通して、ALS研究を支援できる。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
ハフィントンポスト日本版はTwitterでも情報発信しています。@HuffPostJapan をフォロー
関連記事