深海の秘密がまた一つ、科学者たちによって明らかとなった。
体長約10cm、幽霊のような姿のこの生き物は、ソコオクメウオ科の一種と考えられ、深さ約2400メートルの海底を泳いでいるところが一瞬カメラに捉えられた。ユラユラとした動きは、まるで人魂だ。
アメリカ海洋大気庁(NOAA)の観測船「オケアノス・エクスプローラー」号が、遠隔操作による潜水船を使って、ほぼ透明に近いこの魚の撮影に成功、調査員たちは7月1日、YouTubeにその映像を掲載した。
「これは実に驚くべきことです」NOAA海洋漁業局の魚類生物学者ブルース・マンディ博士は動画の中で語っている。
マンディ氏はさらに「この魚はソコオクメウオ科の一種で、この科の魚が生きている状態で目撃されたのはこれが初めてのはずです」と述べた。「これは非常に珍しい目撃例です」
マンディ氏によると、この魚はソコオクメウオ科の一種だ。ソコオクメウオ科の魚はカワミンタイウナギと同じアシロ目系に属し、これまでは深海トロール船や浚渫船によって水面に上げられてすでに死んだ状態のものしか目撃されたことがなかった。
オケアノス号の科学者グループ、かつて目撃例のない幽霊のような魚の撮影に成功
「魚を研究している我々の中には、ウィッシュ・リスト(願い事リスト)を持っている人間がいるんですよ。つまり、いつか実際に見てみたいもののリストとでも言いましょうか」と、動画の中でマンディ氏は語っている。「そしてこの科の魚こそ、おそらく我々の多くにとって、そのリストのトップバッターだったんです」
オケアノス号の調査チームは、7月10日までマリアナ海溝海洋ナショナル・モニュメント(自然保護地域)と北マリアナ諸島海域を調査する。
この科学者たちは魚の生息地、泥火山、海嶺、深海サンゴ礁、海綿群落など調査し、海溝の極限的環境に生息する生命体の研究を進めている。
ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。
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