あなたが役割を放棄すると世界に何が起こるのだろうか
空気を読み過ぎてつらいあなたの解決とは、どのようなものでしょうか?
考えてみましょう。
まず構造的な問題を整理すると、次のようになるのでした。
・空気を読むということは、主体性がなく「やらされ感」がある
・自分が損をしていると感じる
・まわりの人たちにも(私のために)空気を読んで行動して欲しいと期待するが、願いが叶わない
ということは、単純に裏返せば解決かもしれませんね。
- 空気を読んで行動することに、主体性、自分の決断や判断を導く
- 損から得に変える、または受け入れられる程度の傾きに修正する
- 空気を読んで行動して欲しいという願いが叶う
もしかすると、空気を読むことを一切すべてやめる、ということも解決と思えるかもしれませんね。
ですが、これって可能な対策でしょうか?
これができるならば「読み過ぎてつらい」という悩みは生まれませんが、そもそもそれが可能ならば、本文、このテーマは成立しませんよね。
そして思い返して欲しいのですが、多かれ少なかれ、あなたが「空気を読んで行動できる人」だということが、まわりの人たちに評価されているのではありませんか?
観察力、予想や展開を読む力、過去の経験をいまに活かす力...
こうしたチカラが失われてしまうことは、仮に可能だとしても良いことではないのではありませんか?
まず前提として「空気を読むことを完全に辞めることはできない」
ということを、はじめにハッキリとさせておきました。
やらされることをあなたが引き受けないとすると、世界に何が起きるのだろうか?
完全に辞められないとすると、ほかのやり方で解決を目指すことになりますね。
そこで一つ調べたいことがあります。
それは、「あなたが空気を読んでも行動しないとすると、世界に何が起こるのか?」ということです。
おそらくこれは、とても難しいことではないかなぁ、と思います。
いつもやっている習慣的行動を中断する、辞めるということは抵抗があります。
たとえばこれはどうでしょうか?
「明日の食事は3食とも、お米を食べてはいけません」
「明日は1日中、コーヒーを飲まずに過ごしてください」
きっと
「いやいやそれはちょっと待って......」
「メシを食うなというのと同じだよ!」
「うっかり飲んじゃいそう」
など、抵抗を感じる人も多いのではないでしょうか?
空気を読むことが得意な人にとっては、いつも自然にしている習慣である「空気を読むこと」を中断するということは、おなじように大変なことだと思います。
明日から長所を出すな、というのは難しいですよね。
ですからこのような抵抗や不安を少なくするためにも、とても小さなケースで始めることがおススメです。
その方がリスクも少なくすみます。そして1日中全てのことについて実験する必要はありません。
そんなことをしたら性格も変わってしまうし、とても疲れそうです。
まわりにも心配されてしまうでしょうし、条件が変わり過ぎて実験にならなくなってしまいます。
1日1回程度でもう、十分です。
コーヒー飲みたいのかな? 休憩したいのかな?(重いものを)持ってほしいのかな?
この程度の軽くて、安全なケースで十分でしょう。
そのように空気を読んだなら、いったんそこでストップです。
明確に言葉で伝えられるようなことがない限り、我慢します。
あなたが声をかけたり、手を出してはいけません。
その結果、どんなことが起こるのでしょうか?
あなたが思った通りのことが起こるとか、思った通りのことを頼んでくることもあるでしょう。
何も起こらないこともあるでしょう。
あなたの気持ちが落ち着かず、モヤモヤすることもあるでしょう。
ついつい手を出したくなってしまうような場面もあるはずです。
でも、そこは実験ですから結果がでるまで「待って」みましょう。
重要な出来事や深刻な状況で実験をするのでなければ、やり過ごしても問題はないケースのはずです。
問題があるとしても、あなたの気持ちの中だけでしょう。
なぜならば安全なケースや、日常のちょっとしたことを選んで実験しているはずですから...
*注意*
そんなのじゃ物足りない、仕事の場面で実験したいと思う人もいるでしょう。
その場合には、必ず時間的な余裕などのセーフティラインを設定しましょう。
「気づいていたのにやらなかった」
その結果、トラブルが発生した場合、あなたが不利になったり、後悔で自分を責めたりしてしまうことになりかねません。
それでは余計に苦しんでしまいます。
コーヒーが飲みたそうだな、でも我慢... その結果???
- コーヒーを頼まれる(正確な予想が証明されました)
- 何も起こらない(残念ながら予想が外れ)
- 本人が自分で淹れる、または別の人が淹れる
- お茶やジュースを手配する
- 話しかけてくる (コーヒーが重要ではなく、コーヒーをきっかけとしたあなたとの会話が大事なのかもしれません)
(予想そのものは当たっているが、必ずしもあなたが淹れてあげる必要はないのではないか)
(もしかすると、いつもコーヒーではなく、たまには他の飲料が飲みたいのかもしれない)
こうした実験をしてみると、あなたの中にさまざまな気づきや学びが生まれることでしょう。
正解か不正解か? あなたがしないと別の人がするのかどうか? 相手がハッキリと言葉にして依頼してくるのかどうか?
幸か不幸か、あなたが空気を読んでしている行動が、じつはあまり必要とされていないことも、あるかもしれません。
意外な人が、自分の次に空気が読める人だったりすることもあるでしょう。
過剰にフォローしないことで、成長する人だっているかもしれません。
やはりあなたが重要な役割であることが、ハッキリとすることもあるでしょうか。
こうした新しい情報で、負担が減ることがありそうならば、気が楽になることもあるはずです。
予想が正確だったと証明されたら、迷いなく自信を持ってできることもあるように思います。
(2016年07月24日「ボトルボイス」より転載)