レコードのための図書館「The Vinyl Library」が英ロンドンでオープン

長年、多くの家庭で眠ったままのレコードを一カ所に集約させ、この貴重な"音楽遺産"を有効活用するとともに、レコードという共通のテーマを介して多様な人々がつながる場づくりを目指す「The Vinyl Library」の取り組みは、他のニッチなジャンルでも応用できる事例といえるでしょう。
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英ロンドンでもあまり見かけなくなったレコード店 (撮影:松岡由希子)

携帯音楽プレイヤーやスマートフォンに音楽コンテンツをダウンロードしたり、音楽ストリーミングサービスを利用したりと、近年、音楽をモノとして楽しむ機会は大幅に減ってきました。その一方で、盤面に刻まれた音を聴きながら、レコードレーベルやジャケットといったビジュアルも楽しめるレコードは、熱心な音楽マニアの間で根強い人気を保っています。そして、このほど、世界中に散在するレコードを集め、ユーザ同士でシェアできる、世界でも珍しい図書館が開設されました。

2013年7月1日、英ロンドンで、レコードのための私立図書館「The Vinyl Library(ザ・ビニール・ライブラリー)」がオープン。ソフィー・オースティン(Sophie Austin)さんとエリー・レンダル(Elly Rendall)さんという地元ロンドンのDJコンビが創設したこのユニークな図書館は、英国内外からレコードの寄付を募り、会員に貸し出す仕組みとなっています。ちなみに、オープンからわずか3週間で5,000枚以上のレコードが寄せられ、中には、ハンガリーから届いたものもあるそうです。

「The Vinyl Library」は、レコードの貸し出しスペースとしてのみならず、音楽ファンが気軽に集まり、自らの音楽にまつわる思い出や経験を語り合える"たまり場"としての役割も担おうとしています。そのための具体的なきっかけとして、DJレッスンや音楽ドキュメンタリー映画の上映会など、音楽にまつわるイベントも随時開催する予定です。

長年、多くの家庭で眠ったままのレコードを一カ所に集約させ、この貴重な"音楽遺産"を有効活用するとともに、レコードという共通のテーマを介して多様な人々がつながる場づくりを目指す「The Vinyl Library」の取り組みは、他のニッチなジャンルでも応用できる事例といえるでしょう。