飛行機に乗る時「万が一落ちたら...」と考えると心配になってしまう。「飛行機事故で死亡する確率は1100万人に1人」という調査もあるが、それでもなかなか安心できない。
飛行機に安心して乗るために、私たちにできるのはより安全な席を選ぶことかもしれない。
事故の種類は様々だ。急降下、水上着陸、滑走路での衝突など、状況によって最も衝撃を受ける座席は変わる。
アメリカ連邦航空局のアリソン・デュケット氏も「全ての事故は異なるため、どの席も安全とは言えません」と話している。
アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の広報担当によると、NTSBでは墜落事故と席の安全性について、統計をとったり調査をしたりしてはいない。
しかし、ポピュラーメカニクス誌とタイム誌の2メディアが、NTSBのデータを元にして、事故と席の安全について調査している。
ポピュラーメカニクス誌は2007年、1971年以降に起きた飛行機事故のうち、生存者と死亡者の両方がいて、座席表が入手できた事故を分析した。
その結果、後部の席に座っていた乗客は、前の座席の乗客より40%生き残る確率が高かった。
生存率 前部49% 中部56% 後部69%
(GETTY IMAGES データ元:ポピュラーメカニクス)
上の図からわかるように、後部座席に座っていた人の生存率は69%、主翼部分は56%、前の席は49%だった。
また、タイム誌は2015年、1985年以来起きた、同じように生存者と死亡者の両方がいて、座席表が入手できた17の飛行機事故を調査した。
タイム誌が調べたのは「死亡率」。その結果、後部座席が32%、主翼部分が39%、前の座席が38%と、同じく後部座席の方が安全だった。
特に、後部の真ん中の座席は28%と死亡率が一番低かった。
死亡率 前部38% 中部39% 後部32% 後部中心28%
(GETTY IMAGES データ元:タイム誌)
一方、一番死亡率が高かったのは、機体中部のさらに通路側で44%だった。
タイム誌の調査に携わった人たちは、事故の状況次第で、この数字は変わる可能性はあるが、全般的に見て、後部の座席の方が安全だった、と結論づけている。
もちろん、どこに座ったとしても油断してはいけない。常に安全に関する説明をよく聞き、一番近くの非常口が何列目にあるかを確認しよう。
万が一事故に遭遇した場合は、体を丸めて抱え込むようにするのが良いと言われている。
ただし、航空機によっては前屈姿勢が取れない場合もあるので、航空会社の指示に従おう。
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【UPDATE】
2017年4月27日12時32分
緊急時の安全な姿勢に関して、機体によって前屈姿勢が取れない場合があることを追記しました。
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。