『THE MANZAI』の舞台裏に潜入 「みんな瞬発力がよくて、現場での対応がすごい」

とろサーモンも緊急参戦。『THE MANZAI(ザ・マンザイ)』ネタ前の雰囲気は?
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(C)フジテレビ

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『THE MANZAI』支える3つの"たまり場" 漫才師たちの舞台裏に潜入

人気・実力を兼ね備えた漫才師たちがとっておきのネタを披露する"年に一度の漫才の祭典"『Cygames THE MANZAI 2017 プレミアマスターズ』(フジテレビ系 後7:00~10:24)が、きょう17日に放送される。1980年代に『MANZAIブーム』を巻き起こした伝説の番組が、『M-1グランプリ』の終了を受けて2011年にコンテスト形式として"復活"。『M-1』が復活した15年からは現在の形式となった。漫才師にとって憧れの舞台である『THE MANZAI』ネタ前の雰囲気はどうなっているのか。その舞台裏に迫った。

今回は「THE MANZAIマスター」としてウーマンラッシュアワー、海原やすよともよ、おぎやはぎ、キャイ~ン、銀シャリ、サンドウィッチマン、タカアンドトシ、チュートリアル、テンダラー、トレンディエンジェル、とろサーモン、ナイツ、中川家、NON STYLE、博多華丸・大吉、爆笑問題、ハマカーン、パンクブーブー、矢野・兵動、笑い飯(※五十音順)らに加えて、漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2017』(ABC・テレビ朝日系)で優勝したお笑いコンビ・とろサーモンも緊急参戦する。

漫才師たちは、ネタを披露するまでに3つの「たまり場」を通る。最初は、出演者たちのパネルが貼られた壁の前に机とイスが用意された簡易的な待機場所。だいたい、出番の2つ前くらいになったら姿を現すようになっており、前後の2組が談笑したり、壁に向かって本番前のネタ合わせをするスペースだ。今回の収録で、はじめの方にネタを披露するとろサーモンが本番スタート前にこの待機場所に登場。まもなくして、MCを務めるナインティナインの岡村隆史が現れると、久保田和靖とガッチリと固い握手を交わしていた。

この待機場所での過ごし方は、実にさまざま。スタッフと談笑しながら本番を待つコンビ、身ぶりも交えながら自分たちが披露するネタの最終確認をするコンビ、直前まで会話をしていたと思っていたら、急にネタ合わせを始めるコンビなど、自分たちの調整法で本番に向けて準備を進めていく。そこから舞台側に少し進んだ所にあるのが「写真撮影」スペース。「〇〇さん、お願いしますー」との声が飛ぶと、それぞれ撮影場所に向かっていく。

ここの写真撮影スペースまで来ると、あとは出番のひとつ前になってから向かう舞台裏の簡易スペースのみとなるが、ここで印象に残っているのが爆笑問題の様子だ。田中裕二はモニターを眺めて、自分たちの前にネタを披露しているコンビを確認し、相方の太田光はスポーツ選手の準備運動のように手足を何度もブラブラさせながら、体をほぐす。登場時から太田がセンターマイクに向かって全力で走っていく爆笑問題ならではの最終調整を見ることができた。

そして、最後のたまり場となるのが「舞台裏」の簡易スペース。スタッフからセットの仕組みと登場と退場について説明を受けながら、ピンマイクをつけて、ネタ本番に向けて気持ちを高めていく。ここには、ネタを終えた直後の漫才師たちも訪れるが、ピンマイクを外してもらうと、みな一様にスタジオの様子が映し出されている小さなモニターに一直線で向かう。最高顧問を務めるビートたけしが、自分たちのネタについて語っているからだ。レジェンドであるたけしの言葉に「そこを見てくれていたんだ。うれしいな」と、漫才師たちがこの日一番のホッとした顔を浮かべる様子は何とも印象的だった。

こうした漫才師たちの表情を逃すまいと、スタッフたちも総力戦で臨む。ディレクターが3人体制でチームを作り、それぞれが担当する漫才師を事前に割り当て、それに沿って、ひとつ目のたまり場からネタを終えた感想のVTRまでを収録。本番前はむやみに近づかず、遠くからカメラを回し、ネタを終えるとあうんのタイミングでコメント取りを行う。最高の舞台でネタを披露するため、細やかな環境作りをしていることがかいま見えたが、今回の収録を終えて、たけしは次のようにコメントしていた。

「毎回、芸人の腕が上がっていて、やっぱり板(舞台)で何回もやっている人たちのネタは、おもしろいね! みんな瞬発力がよくて、現場での対応(力)がすごいから、前にやったやつの漫才をわざと繰り返してやったりする。オイラもそうだったけど、自分たちの出番の前にやっている奴をずっと見ていて、ネタがかぶったときにどうやってフォローするかとかね、やっぱり同じことやるんだなって思った」。一流の漫才師たちが集い、最高のネタを披露する『THE MANZAI』。本番前の3つの「たまり場」が、賞レースとはまた違った独特の緊張感と高揚感を作り上げていることが今回の取材で見えてきた。

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