アメリカのテキサス州で8月31日、銃乱射事件が発生し、少なくとも7人が死亡、20人以上が負傷した。
容疑者とみられる36歳の白人の男は、警察との銃撃戦の末死亡した。
事件は8月31日の午後、テキサス州西部のミッドランドの高速道路で、交通取締官が容疑者の乗る車を路肩に寄せるよう要請した後に発生した。男は交通取締官に発砲し、その後また車でオデッサ方面に逃走。その間にも数カ所で発砲した。男はその後車を乗り捨て、米郵政公社(USPS)のトラックをハイジャック。最終的に、映画館の駐車場で警察と銃撃戦になり、容疑者は射殺された。
「容疑者の名前はここで公表しない。拒否する」と警察
当初、容疑者は複数と伝えられていたが、単独犯だとみられている。
オデッサ警察のマイケル・ガーク所長はテレビ中継が行われていた会見で、犯人の名前を言う事を拒否。最終的に実名を公表するが、中継されている記者会見などでは発表しない、と話した。アメリカでは最近、模倣犯を促しかねないとして、銃乱射事件の加害者の実名報道が再考されている。
「容疑者の名前はここで公表しません。それには理由があります。意図的に拒否しています」「彼の行為に、悪名を与えるような事はしません」
その後警察はFacebookで、容疑者の名前をセス・エイター、36歳と発表した。
会見でガーク所長は、警察はまだ容疑者が犯行に及んだ動機を確定できておらず、容疑者が凶器ををどのように入手したかを調査していると話した。
今回の事件では、7人の犠牲者の他に20人以上が負傷しており、その中には1歳5カ月の赤ちゃんも含まれる、と病院が発表。赤ちゃんの容体は安定しており、9月2日に銃弾の破片を体から取り除く手術をするという。
警察のガーク所長は1日午後の会見で、犠牲者の年齢は15歳から57歳にわたる、と発表したが、その時点では名前は公表されていない。しかし、遺族などへの取材や所属会社からの声明から、一部の名前が明らかになっている。
アメリカのクラウド・ファンディングサイトGoFundMeでは、犠牲者の葬儀費用や、負傷者の医療費への寄付の動きが始まっている。
多発する銃乱射事件に進まぬ銃規制「今すぐアクションを」と市民
テキサス州では8月3日、メキシコとの国境に接するエルパソで22人が死亡する銃乱射事件があったばかり。
記者の1人が「アサルト・ライフルの禁止を検討するか?」と質問すると、「すでに議員たちが議論している案の1つだ」と答えた。
しかし、アボット知事がコメントした同日、テキサス州では、学校や教会などの公共の場での銃器の携帯を容易にする法が執行されたばかりだ。
多発する銃乱射事件に反して銃規制が進まないアメリカの現状に、多くの市民や活動家、野党の政治家も「アメリカ、いいかげんに行動に移すべきだ」と声を上げている。
オデッサとミッドランドでの銃乱射事件の被害者のご家族を思うと心が痛みます。私たちの子供たちに、1カ月に複数の銃乱射事件が起こるような未来を歩ませてはいけない。私たちは銃規制改革が必要です。
ーカマラ・ハリス(カリフォルニア州 民主党議員)
トランプ大統領はTwitterで、「テキサスでの事件に関して説明を受けている。警察は全力で対応している。また情報をアップデートする」と投稿したが、それに対して「辞任して」「今すぐ銃規制を」など非難の声が上がっている。
ハフポストUS版の記事を翻訳、編集、加筆しました。