テスラモーターズ(本社:米国カリフォルニア州、会長兼CEO:イーロン マスク、日本法人:東京都港区)は、現在販売中の電気自動車セダン「モデルS」 の無料ワイヤレスアップデートにより、新機能の追加を発表した。
今回のソフトウェア アップデートは、モデルSのインテリジェンスを拡張し、航続距離に関する一切の不安を消し去る機能、アクティブ セーフティーを向上する機能、そして自動運転などが追加される。
今回のアップデートについてイーロン マスク会長兼CEOとの電話会見をご紹介しよう。
配信時期:
今月末までに順次開始の予定です。
ナビ:
日本のお客様へのナビ提供は今年の夏を予定しています。ナビに関連した機能は今年の夏以降の配信となります。
このアップデートでModel Sの最高速度は250km/hになりますか?
モデルSは現在、シングルモーターとデュアルモーターの2種類を提供しています。日本に現時点で納車されているクルマはシングルモーターのみなのですが、250kmになるにはデュアルモーターであることが必要です。日本へのデュアルモーター納車開始は今年の夏以降です。
ソフトウェア6.2は世界中のModel Sに適用されますか?
はい、アップデートはすべてのModel Sに順次配信されますが、自動運転機能が利用できるのは2014年9月以降に製造された、必要なハードウェアを備えた車両に限られます。(今回追加された)トリップ プランナーはナビゲーション搭載のModel Sでのみ利用できます。
完全な自動運転機能はいつ利用可能になりますか?
現在生産されているすべてのModelSには必要なハードウェアが装備されており、完全な自動運転を可能にする機能はワイアレスのソフトウェア アップデートを通して順次配信されます。
自動運転は合法ですか?
テスラでは自動運転がどこでも使えるようになることを大いに期待しています。テスラの自動運転は、無人運転とは異なり、ドライバーが責任を持って車を制御しなくてはなりません。このシステムはインテリジェンスを備えており、適正な状況下(例えば、明確な車線区分線がある場所など)でのみ作動します。さらに、スピードリミットアシストや車線逸脱警報などのアクティブ セーフティー機能は、潜在的な危険をドライバーに知らせることで、安全性を向上します。将来的に、安全システムは衝突の可能性を下げるため、運転に干渉するようになります。
テスラの自動運転システムを開発する上でのアプローチについて、他社と異なる点
テスラのアプローチは第一原理に基いています。環境を認識し自動車を制御することは、最高の機能をどのように開発し、実装できるかを理解する上で最も重要です。テスラではシステムのすべての面をコントロールしているため、最高のパフォーマンスを実現するために機能を最適化することができます。例えば、テスラのドライブトレインは瞬時にトルクをコントロールできるため、スムーズで安全な、さらに必要に応じて状況の変化に対応できる、自動運転用のアダプティブ クルーズコントロール機能を開発することができました。
Model Sのバッテリー交換にかかる費用を教えてください。
テスラのバッテリーには8年間の保証が付きます。そのため、値段はまだ設定されていません。
バッテリーパック内のバッテリーモジュール(85kWhは16、60 kWhは14のモジュールで構成されます)の交換費用は$12,000程度になると想定されます。これは8年間利用できるので、リーズナブルな価格と言えます。また、$15,000-20,000で従来のものよりもさらに容量の大きなパックが用意される予定です。これはバッテリーのコストがゆっくりと下がっていくことが期待されるからです。例えば年間5%の割合でコストが緩やかに下ったとしても、8年後にはかなりのコスト削減になります。
航続距離640kmのロードスター用バッテリーの発表がありましたが、Mode S用にもさらに大容量のバッテリーを用意する予定はありますか?
Model Sは様々なライフスタイルや運転習慣にフィットするよう開発されました。長い航続距離に加え、Model Sは自宅や旅先、どこへ行こうと便利に充電できるようになっています。
○エネルギーと航続距離
新しくなったエネルギーと航続距離に関する機能は「航続距離への不安」を消し去り、長距離ドライブの前に綿密な計画を立てる煩わしさを取り除く。モデルSのナビゲーションにレンジ アシュアランス#1とトリップ プランナー#2が追加され、長距離ドライブで感じていた不安を解消する。また、モデルSのナビゲーションは自動的にテスラのチャージング ネットワークを通るようにルートを検索(日本への導入は夏以降)。
モデルSは常に航続距離をモニターし、航続距離が充電スタンドの圏外になりそうになるとドライバーに知らせ、モデルSは航続距離圏内のスーパーチャージャー、テスラ デスティネーション チャージャー、および以前充電したことのある場所のリストを表示。ドライバーがリストから充電スタンドを選ぶと、ナビゲーションが案内を開始する。また、到着時の予想バッテリー残量も表示される。
目的地を設定すると、ナビゲーションが必要に応じ自動的にスーパーチャージャーに立ち寄るようルートを検索。トリップ プランナーは運転時間と充電時間を最小限に抑えるルートを選ぶ。スーパーチャージャーで充電する際は、必要な分だけ充電が完了するとiPhoneアプリ経由で通知。Androidアプリ経由では充電スクリーン上から行程に必要な充電の情報をモニターできる。
○ドライバーアシスト機能
今回のアップデートに含まれる新たなドライバーアシスト機能は、潜在的な危険を賢く予測し、対応します。2014年10月に自動運転を発表してから、テスラはワイアレスのソフトウェア アップデートを通して複数のアクティブ セーフティー機能をモデルSに実装。
○自動緊急ブレーキ
この新しい衝突回避アシスト機能は、回避不可能な正面衝突の際に作動し、衝撃を軽減。自動緊急ブレーキはドライバーがアクセルまたはブレーキペダルを踏むか、ステアリングホイールを急激に回すことで解除される。
○ブラインドスポット ワーニング
ブラインドスポット ワーニングは車線変更を安全に行えるようアシストする機能で、モデルSが30〜140km/hで走行時に、ドライバーの死角に自動車を検知した場合、インスツルメント パネル上のスピードメーター下部に白い弧状のマークが表示され、死角にある自動車と衝突する可能性が高まると、2つの赤い弧状のマークを表示し、ステアリングホイールが振動、チャイム音がなります。
○バレーモード
ホテルのバレーなどに車両を預ける際に、モデルSをバレーモードに設定すると、ドライビング パフォーマンスを抑え、特定の設定や個人情報にアクセスできなくなる。オーナーはボタンひとつでスピードリミットを設定し、グローブボックスとフロントのトランクをロックし、タッチスクリーンに表示されるドライバープロフィールやHomelink設定などの個人情報へのアクセスを無効にでる。
今回のアップデートは6.2となり、最高速度もP85Dは、最高速度は250km/hとなった。
■テスラモーターズ 公式サイト
(2015年3月20日Autoblog日本版「テスラ、モデルSソフトウェア アップデート6.2 航続距離への不安を解消!?」より転載)
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