テスラ、「自動操縦」の宣伝をドイツで禁じられる 理由は?

Autopilot(自動操縦)という単語が走行中にまったく手を加えなくても良いという完全自動運転だと誤解を招きやすい。
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ドイツ当局が、テスラの電気自動車が備える半自動運転機能に対して「Autopilot」という単語を使わないよう要請しました。

ロイターによると、ドイツ政府はAutopilot(自動操縦)という単語が走行中にまったく手を加えなくても良いという完全自動運転だと誤解を招きやすいとのこと。現時点では完全自動運転を実現した車はまだ市販されてはいません。

テスラ広報担当は「Autopilotは航空機の世界ではパイロットを「補助」する機能を表す言葉として長らく使われてきた」としつつ、「ドライバーはAutopilot使用中でも周囲に気を配らなければならない」と説明します。

それでもドイツ当局が心配するのも無理はありません。

自動運転初の死亡事故として伝えられた米国の事例では、ドライバーは完全に車に運転を任せていたと考えられるうえ、3週間前にはドイツ国内でもテスラ車がAutopilot使用中の車線変更で、直前に追い越したバスに接触する事故を起こしました(後にAutopilotが直接の事故原因ではないと判明)。

これらはいずれもレベル0~レベル4の5つの段階で表現する自動運転の区分けで言うレベル2、つまりドライバー・アシスト機能に過ぎないにもかかわらず、Autopilot(自動運転)という言葉の安心感から意識的な誤解を招いたせいで発生したと考えられます。

よって、もう少しドライバーが注意を払って使おうと思うような単語を機能名や宣伝文句に使うよう改めることで、ドライバーの意識を引き締める効果が得られるかもしれません。

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なお、テスラはこの9月に自社の自動車用ソフトウェアをアップデートし、ドライバーがステアリングホイールから手を一定時間以上離したままにすると警告を発し、さらに反応がなければAutopilotモードを解除するよう変更を加えました。

これによってドライバーが完全に車に運転を任せてしまう問題の回避が期待されます。

ちなみに、誤解を招く言葉を禁止する動きを見せているのはドイツだけではありません。

自動運転車の公道テストが盛んな米カリフォルニア州でも、9月に公表された議会法案の草案には"autonomous"、や"self-driving"といった単語を低レベル運転補助機能搭載車の宣伝文句として使ってはならないとする文言が記されているとのこと。ただカリフォルニア州の法案にはステアリングホイールやペダルを装備しない完全自動運転車両の試験走行を許可する案も含まれています。

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