新型コロナウイルスの感染拡大で、国内のマスクの品不足が深刻な事態になっていることを受けて、3月15日からマスクの高額転売が法律で禁止されることになった。違反者には1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられる。
■家庭用マスクなどが幅広く対象に
経済産業省の公式サイトは10日、国民生活安定緊急措置法の政令改正が閣議決定されたと発表した。規制対象となるのは小売店やネット通販などで購入したマスク。購入者が取得価格を超える価格で、店舗やフリーマーケット、ネットオークションなどを通して第三者に転売することを違法とする。
医療用マスクだけでなく、風邪・花粉対策で用いられる家庭用マスクや、工場の防塵対策で使われる産業用マスクなども幅広く含まれる。なお、業者間の一般の商取引や、メーカーなどから一般消費者にマスクを直販する場合は対象とならない。
個人が出品できる「ヤフオク!」や「メルカリ」などのサイトでは、マスクが定価よりはるかに高い値段で取引されていることが、大きな社会問題になっていた。
■国民生活安定緊急措置法とは?
国民生活安定緊急措置法は1973年の第1次オイルショック時に、トイレットペーパーなどの物資が買い占められたことを受けて制定された。
物資が著しく不足し、生活に支障が出る恐れがある場合、政府は標準価格の設定や物資の譲渡禁止などの措置をとることができる。毎日新聞によると、オイルショックの際にはトイレットペーパー、石油、液化石油ガス、ちり紙の4品目が価格安定の対象に指定された。