1980年代中盤、電電公社(現在のNTT)がテレホンカード、国鉄(現在のJRグループ)がオレンジカードを世に送り出した頃から、磁気式プリペイドカードが普及した。しかし、今は携帯電話や交通系ICカードにとってかわられており、それらを見かける機会はかなり少なくなっているようだ。
今回はテレホンカードに絞り、今の実態を調べてみた。
■テレホンカードは男性の使用率が高い
さっそく編集部では、まずテレホンカードの利用実態についてのアンケートを実施。
Q.現在テレホンカードを使っていますか?
年代が上になるほど利用率が高くなっているが、最も高い60代でも大半の人がもはや使っていないようだ。
総務省発表の「情報通信白書」によると、公衆電話の数は年々減少しており、15年前から約4分の1程度である。
携帯電話が普及し、利用機会が大幅に減った公衆電話だが、携帯電話の電池切れや、災害時などでの緊急通話等には便利であり、その公共性の高さから、必要最低限の数は維持されるべきだという意見が多数派であることが、総務省の別の調査によって明らかになっている。
現在も年間2万台程度のペースで減少している公衆電話だが、いつかは下げ止まるのだろうか。
■テレホンカードはどこで手に入る?
そんな大半の人が使っていないテレホンカードだが、NTTのホームページを見ると、実はほとんどのコンビニエンスストアにて購入できるようだ。
使われることが少なくなったテレホンカードが身近に手に入ることを、どれくらいの人が知っているだろうか。アンケートサイトのマインドソナーを使って調べたところ、28.9%の人がこのことを知っていた。
都内複数のコンビニエンスストア店員に聞くと、店内には置かれていないがレジで伝えれば出してもらえるそうだ。
■22世紀にはテレホンカードがない?
20世紀のある日、『ドラえもん』で野比のび太の父が"秘密兵器"の如く、「テレホンカード」と言って、四次元ポケットから道具を出す感覚でテレホンカードを見せると、ドラえもんとのび太が衝撃を受けていた。2人はまったく知らなかったのだ。
御存知の通り、ドラえもんは22世紀に誕生した猫型ロボットである。ドラえもんがテレホンカードを知らないということは、「22世紀の道具にテレホンカードはない」と言っているも同然だ。
原作の藤子・F・不二雄は、漫画を描いた数十年前からすでに「テレホンカードはいずれ衰退する」と確信していたのかもしれない。
(しらべぇより転載)