行方不明になっていたアメリカの10代の女性が11月4日(現地時間)、TikTokなどで広まった「助けて」のハンドジェスチャーを使って救出された。
女性を救助したケンタッキー州ローレル郡の保安官事務所によると、女性が乗っていた車の後方を走っていた車の運転手が、女性のハンドジェスチャーに気付き、911に通報した。
さらに、この運転手は当局に車の位置を伝えるために、女性が乗っていた車を追跡。
女性が乗っていた車が高速道路を降りたところで、捜査官たちが停車させて女性を保護した。
DVから助けを求めるために開発されたジェスチャー
保護されたのは、ノースカロライナ州在住の16歳の女性で、両親がその2日前に行方不明届を出していた。
女性が使ったジェスチャーは、カナダの女性支援団体が、家庭内暴力を受けている人が助けを求める手段として開発したもので、女性はTikTokでこのジェスチャーのことを知ったという。
ジェスチャーはシンプルで、手のひらを広げた後に、親指を内側にたたみ、さらに残りの指も閉じて拳を握るというもの。
保安官事務所によると、運転手も女性のジェスチャーがTikTokで知られる『助けて』であることを知っていた。また、運転手には女性が苦しんでいるように見えたという。
この事件で、ノースカロライナ州チェロキー在住のジェームズ・ハーバート・ブリック容疑者が「不法監禁」の疑いで逮捕された。
女性は当局に、ノースカロライナ州でブリック容疑者に連れ去られた後に、テネシー州、ケンタッキー州を経て、容疑者の親戚のいるオハイオ州に連れていかれたと証言している。
ブリック容疑者はその後、オハイオ州を出て、車で南下。女性は車の中から、周りの車にハンドジェスチャーで苦境を伝えようとしたという。
「誰かに気付いて欲しいと願った彼女が、オハイオ州からの高速道路でどれくらいの間、このジェスチャーをしていたかはわかりません。しかし、ようやく1人がジェスチャーを認識してくれました」と、ギルバート・アシアルド保安官代理が地元テレビ局WYMTに述べている。
(ハンドジェスチャーについて伝えるカナダの警察のツイート)
これは家庭内暴力のサインです。
自宅隔離は、家庭での暴力のリスクを増やします。何かあった時には、ビデオ通話の最中にこのジェスチャー使い、助けを求めて下さい。
1. 話している相手に向けて、手の平を広げます
2. 親指を手の平の内側に折りたたみます
3. たたんだ親指の上に、他の指をかぶせるようにして折りたたみます
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。