10月から消費税が10%となることを受けて、政府は中小売業者で5%、大手小売り業者で2%の還元を受けられる移行施策を実施する。還元といえばQR/コード決済が知られているが、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス手段でもこの還元を受けられる。
還元が受けられるのは、キャッシュレス・消費者還元事業に登録した小売店のみ。同事業に登録済みであることを示すマークがない店舗では還元を受けらないので注意したい。
対応店舗を探せる「ポイント還元対象店舗検索アプリ」が配布されているので活用したい(iOS版、Android版)なお、一部の大手コンビニなど即時還元を実施する店舗では、登録などは必要なく交通系ICカードやキャッシュカードで決済するだけで、その場で2%の還元受けられる(大手なので5%還元にはならない)。期限は2019年10月1日〜2020年6月30日までの9カ月間。
ここでは交通系ICカードに絞って、キャッシュレス還元を受ける方法をまとめた。主要な交通系ICカードは全国で10種類が流通しており、それぞれ還元の適用条件、付与方法が異なるの注意したい。
Suica(スイカ)は事前登録必要でウェブ上で引き換え
JR東日本の営業エリアを中心に普及しているSuicaで還元を受けるには、事前にJREポイントのサイトで、SuicaのカードもしくはモバイルSuicaの番号を登録しておく必要がある。
モバイルSuicaを使っている場合は会員登録は完了しているはずだが、プラスチックの物理カードを利用している人は必ず会員登録を済ませておこう。
還元されるタイミングは翌月で、利用月1カ月ぶんがJREポイントとして加算される。JREポイントは1ポイントを1円相当としてSuicaにチャージ可能だ。
PASMO(パスモ)は事前登録必要で一部の駅と定期券販売窓口で引き換え
首都圏の私鉄や地下鉄などで普及しているPASMOも、キャッシュレス還元を受けるには専用サイトでの事前登録が必須だ。。会員登録後、PASMOの番号を入力すれば登録完了となる。
貯まったポイントはウェブ上のPASMOのマイページで確認できる。3カ月ごとに利用した金額に応じて還元される仕組みで、還元されたタイミングで登録時に入力したメールアドレスにお知らせが届く。
ポイントを登録したPASMOに付与する方法が少し面倒で、ウェブサイト上では付与できず、首都圏の私鉄会社の駅や定期券販売窓口での引き換えとなる。西武鉄道は91駅(小竹向原駅を除く全駅)と京浜急行鉄道は72駅(泉岳寺駅を除く全駅)+定期券窓口4カ所とほとんどの駅でポイントの引き換えが可能だが、そのほかの鉄道会社では引き換え可能な駅が限られているので注意しよう。
ICOCA(イコカ)は事前登録必要で還元は自動
JR西日本を中心に利用されているICOCAで還元を受けるには、ICOCAポイントサービスの利用登録を済ませておく必要がある。
利用登録やポイントの確認は、自動券売機(紺色・ピンク色)のほか、専用ウェブサイトを利用できる。なお、クレジットカードと紐付けることでキャッシュレスチャージが可能なSMART ICOCAを利用している場合はすでにサービス登録が完了しているので追加での登録は不要だ。
還元ポイントは3カ月ごとにまとめて付与される。ただし、チャージ機能がないICOCAは対象外。
PiTaPa(ピタパ)は開始時期などは未定
関西の私鉄を中心にい流通しているPiiTaPaでは、キャッシュレス・消費者還元制度のキャッシュレス決済事業者に登録済みだ。9月28日時点では開始時期は明らかになっていないが、ポイントの還元方法は決まっている。
PiTaPaのポイントは「ショップdeポイント」と呼ばれ、100円の利用で50ポイント(5円相当)が付与される、500ポイント(50円相当)が貯まるごとに、PiTaPaポストペイエリアでの交通利用代金から50円が差し引かれる仕組みだ。なお、ショップdeポイントはANA、JALのマイレージとの移行が可能だ。なお、ジュニア、キッズカードは対象外。
manaca(マナカ)は事前登録必要だが還元は自動
東海地方で流通しているmanacaのキャッシュレス還元は少しややこしい。manacaは、名古屋鉄道(名鉄)や名古屋市営地下鉄などが発行しているが、還元を受けられるのは名鉄系のみで、エムアイシー発行のカードに限られ、名古屋交通開発機構が発行するmanacaaは対象外。
エムアイシー発行のmanacaで還元を受ける場合、事前にミュースター会員へ登録する必要がある。還元されたミュースターポイントは翌月にまとめた登録したカードに反映される。ポイントは、会員サイト「マイミュースター」もしくは名鉄公式スマートフォンアプリ「ミュースターTouch」で確認できる。
SUGOCA(スゴカ)は事前登録の必要なしで還元も自動
九州地域で流通しているSUGOCAは、特に申請しなくても還元を受けられる。利用した翌月に利用したカードにJRキューポが貯まる仕組みだ。JRキューポは、IC対応自動券売機で確認・交換できる。
なお、記名式SUGOCAの場合はJRキューポウェブサイトに登録することで、通常のポイントだけでなく、JR九州グループの商品券やTポイントやPontaなどの提携ポイントに交換することも可能だ。
nimoca(ニモカ)は事前登録の必要なしで還元も自動
福岡県内を中心に流通しているnimocaは、特に申請しなくても還元を受けられる。利用した翌月に利用したカードにnimocaセンターポイントが貯まる仕組みだ。nimocaセンターポイントは、nimocaポイント交換機またはnimoca取扱窓口で確認できる。
また、スターnimoca、クレジットnimocaを利用している場合、履歴照会サービスに登録することでウェブ上でのポイント参照も可能だ。
Kitaca(キタカ)はキャッシュレス還元対象外
JR北海道の営業エリアを中心に流通しているKitacaは、キャッシュレス還元の対象外。
TOICA(トイカ)はキャッシュレス還元対象外
JR東海の営業エリアを中心に流通しているTOICAは、キャッシュレス還元の対象外。
はやかけんはキャッシュレス還元対象外
福岡市営地下鉄が発行しているはやかけんは、キャッシュレス還元の対象外。
(2019年9月28日 TechCrunch Japan「消費税10%の還元施策に備えて交通系ICカードでいまやるべきこと」より転載)
【ハフポスト日本版追記】交通系ICカードは上記に加えて、札幌市営地下鉄などで使える「SAPICA」も対象となっていることが9月30日に発表された。
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