「返礼品競争から降りる」 所沢市がふるさと納税で方針

埼玉県所沢市がふるさと納税の返礼品を取りやめることを決めました。
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埼玉県所沢市

埼玉県所沢市は2月20日、ふるさと納税をした人に送る返礼品を4月から取りやめることを決めた。市はハフィントンポストの取材に対し、「本来の趣旨から逸脱したお得な返礼品の競争から降りる」と理由を説明。寄付自体は今後も受け付ける。

同市は、2008年度にふるさと納税の受け付けを開始。百貨店の「そごう・西武」と提携し、15年12月から返礼品の送付を始めた。地元メーカー製の望遠鏡や地元で採れた食産品など、53種類の中から送っている

2015年度は、378件の寄付があり、約3800万円が集まった。返礼品の開始以前と比べて大幅に増えた。一方で、市内在住者が他の自治体に寄付することで、同市に納める所得税などの一部が控除される。控除額がふるさと納税で得た寄付額を大きく上回り、税収としては赤字だったという。

藤本正人市長が20日の記者会見で、「返礼品を得るのが目的化している。基本理念は否定しないが、今後は事業や企画を絞って応援してもらえるように工夫したい」と述べたと、朝日新聞デジタルが報じた

寄付金の使い道は、従来通り教育や福祉など7つの事業に活用する。返礼品は当初、寄付をした市内在住者にも送っていたが、16年4月からは市外在住者のみを対象にした。

ふるさと納税をめぐっては、返礼品目当てで寄付する人も多く、それに応じて各自治体が寄付金を集めるため、返礼品の競争が加熱。巨額のふるさと納税が集まる佐賀県上峰町では、町議の議会日の交通費などに充てる議案が提出されるなど、制度の主旨や是非について議論が起きている。

朝日新聞デジタルによると、返礼品を取りやめる例は珍しく、京都府長岡京市が2016年9月に返礼品をやめている。

ハフィントンポストは21日、同市に電話取材した。担当者は返礼品の廃止について「お得な返礼品を得るための競争から降り、故郷や自治体を応援したいという制度本来の運用に戻す」と説明。ふるさと納税の税収赤字については、「人口が多い都市では、ある程度仕方がない。返礼品をやめる理由ではない」と否定した。

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