軽減税率よりも|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり

軽減税率で消費税が安くなったらいいよね、というだけで判断するのではなく、総合的な判断をしっかりしていきましょう。

我が家のお米がなくなったので買い物に。

今、我が家は毎月5kgのお米を食べます。

今回は家族のリクエストに応えて北海道のゆめぴりか。5kgで本体価格3500円。

さてもし我が家でゆめぴりかを年間通してずっと食べれば年間お米の消費金額は42000円。

消費税が10%なら4200円。

軽減税率が、精米だけを対象とすることになれば、2%分で年間840円になります。

もし5kg1000円のお米を年間通して食べれば年間12000円。

消費税10%だと1200円、軽減税率2%分で年間240円。

軽減税率で軽減される消費税の金額、どう思いますか。

軽減税率の問題の一つが、高いものを買う方が軽減される税額が大きくなることがあげられます。

軽減税率は低所得者を支援するために導入されるはずですが、高い食材を買う高所得者のほうが軽減される金額が大きくなるのです。

軽減税率によって政府は歳入を失いますが、低所得者を支援するためだけに歳入が減るのではなく、高所得者にも消費税が軽減されることによって、政府は歳入を失います。

これならば、給付付き税額控除の方が良い政策ではないでしょうか。

マイナンバーを利用して、確定申告をしていただいて、一定額以下の所得の場合には所得税を支払っていただくのではなく、一定額を給付します。

所得が一定額以下の場合に限り、給付が行われるので、高所得者は対象にならず、結果として、歳入減も限定されます。

軽減税率よりもこの方が、低所得者だけを対象とすることになるので、高所得者にもばらまかれることはありません。

消費額ではなく所得額で払い戻すので、「財務省案」のように、店にシステムを導入したり、マイナンバーカードを使って買い物をしたりといった必要もありません。

軽減税率を、精米だけでなく、生鮮食料品、あるいは食料品すべてにするという案もありますが、どこで線を引くのか、様々な関係者からの陳情合戦や圧力合戦になることが目に見えています。

それならば、軽減税率ではなく、給付付き税額控除にするべきだと思います。

軽減税率の問題点や給付付き税額控除のメリットをきちんと説明して、それこそ国民的議論をしなければなりません。

軽減税率で消費税が安くなったらいいよね、というだけで判断するのではなく、総合的な判断をしっかりしていきましょう。

(2015年9月21日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)