蔡英文氏、女性初の総統に 台湾総統選で民進党が勝利

民進党勝利については、中台関係に新たな不透明感が生まれるとの見方もある。
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Tsai Ing-wen presidential candidate of Taiwan's Democratic Progressive Party, gestures during a rally in Taoyuan district of Taipei, Taiwan, Thursdy, Jan. 14, 2016. Taiwan will hold its presidential election on Jan. 16, 2016. (AP Photo/Ng Han Guan)
ASSOCIATED PRESS

台湾の総統選挙は1月16日、投開票が行われ、初の女性総統を目指す最大野党・民進党の蔡英文(ツァイ・インウェン=59)氏が当選確実となった。蔡氏の勝利で、民進党が、8年ぶりに政権を奪還。台湾で初めての女性総統が誕生することになる。現地紙の蘋果日報などが報じた。

馬英九(マー・インチウ)総統の任期満了に伴って行われた台湾の総統選には3人が立候補。事実上、与党・国民党の朱立倫(チュー・リールン)氏(54)と、民進党の蔡氏の争いとなった

16日の午後9時30分現在、蔡氏が約658万票、朱氏が約361万票を獲得。朱氏は敗北を認め、支持者の前に姿を現し深々と頭を下げた。

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選挙の大きな争点となったのは、中国との今後の関係のあり方だった。これまで以上に中国との交流を拡大することが台湾の利益になると訴える国民党の朱氏に対し、中国との接近は、台湾の主体性や民主主義を損なうと批判する民進党の蔡氏が、激しい論戦を繰り広げた。

今回の民進党勝利については、中台関係に新たな不透明感が生まれるとの見方もある。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「一つの中国」政策を進める中国の習近平国家主席との間で摩擦が生じ、「緊張している地域の安全保障をさらに複雑化する」と分析。経済的な不安についても、次のように報じた。

蔡氏が総統になった場合、同氏が「一つの中国」を認める方向に動かなければ、中国は台湾に経済的なコストを負担させ始めるとみる専門家が多い。具体的な一つのオプションとしては、中国からの台湾、とりわけ民進党が地盤とする地域への旅行者制限が挙げられている。

 

北京連合大学台湾問題研究所のリー・ジェングアン教授は、「おそらく台湾のすべての人が、大陸政府の最近の政策が台湾に利益をもたらしていると感じているわけではないだろう」とした上で、「しかし関係が悪化すれば台湾のすべての人が経済的な空白をはっきりと感じるだろう」と述べる。

 

台湾の独立志向強まるか、米中に不安―総統選で民進党優位 - WSJより 2016/01/15 10:24)

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