ヒョウモンダコ、食べても危険。「最悪で死に至る」長崎大学が注意呼びかけ

ネット上には「食べてみた」報告も… 唾液腺だけが毒だと思われていた

猛毒の唾液を持つことで知られる「ヒョウモンダコ」が、体にも猛毒があることが判明した。調査結果を9月28日に発表した長崎大学の研究チームは、ヒョウモンダコに噛まれたり食べたりすると、「最悪の場合、死に至る可能性がある」と警戒を呼びかけている。

殺人ダコの異名を持つヒョウモンダコは唾液腺の猛毒から、「噛まれると死ぬ可能性」があることは知られていたが、体に毒があることは分かっていなかった。

ネット上では唾液腺を取り除いた上で「ヒョウモンダコを食べてみた」とするレポートや、動画が上がっていた。これらは危険な行為だったことが明らかになった。

■ヒョウモンダコとは?

ヒョウモンダコは体長12cmほどの小型のタコ。唾液にフグと同じテトロドトキシンという猛毒を持っている。テトロドトキシンは同量の青酸カリの500倍から1000倍の毒性を持っており、わずか2〜3ミリグラムの摂取で死に至る。

青い輪のような模様が全身を覆っていることから「ヒョウモンダコ」の和名がついた。かまれると嘔吐、けいれんをおこし、まれに死ぬことがあるという。太平洋やインド洋の温かい海に広く分布し、日本では相模湾、八丈島以南に生息すると言われている。

■筋肉や表皮からも猛毒が検出

長崎大大学院の竹垣毅准教授らの研究チームが、日本国内で採集された13個体のヒョウモンダコを分析したところ、過去に報告されているオーストラリア産個体と同様に、全ての個体からテトロドトキシンが検出された。

唾液腺だけでなく筋肉や表皮からも検出されており、ヒョウモンダコがテトロドトキシンをカニや貝等の餌生物を採餌する際に利用しているだけでなく、捕食者からの防衛や反撃にも利用していることが示唆されたという。

研究チームは「もしヒョウモンダコを発見しても絶対に触ったり、食べたりしないでください」と訴えている。