味覚的においしいことが、おいしさではない。と、私は思っています。
哲学のような話に聞こえるかもしれませんが、もっと直感的な話をしています。
例えば、三つ星レストランの一流の料理をテイクアウトしていつもの自宅の食卓とテレビを前に食べる。
料理の味は最高においしいはずなのに、本当に心はおいしいというのか。そんな話。
もしかしたら魚が獲れた漁港の側で、漁師さんから漁の話を聞きながら食べるマグロの刺身の方がおいしいかもしれない。
"おいしさ"ってどうやって生まれるんだろう。
私は心も体も満たされる"おいしさ"を実現するには、3つの要素が必要だと思っています。
①素材や料理の味
②食べる環境(場所や一緒に食べる人)
③目の前の1皿ができあがるまでの物語
これらを通して新しい「食の体験」(私はタベモノガタリと呼んでます)を創り上げることがおいしさの秘訣ではないかと。
しかし、今の世界ではたくさんの"おいしさ"が捨てられています。
日本で3つの要素を満たす食品流通が実現されているところは少ないと思うし、物質としての食べ物を物語と共に捨てています(最近は「フードロス」という形で問題視されていますが)。
おいしさを捨てない世界に。おいしさで満たされた世界を。
おいしさで世界を満たすには、単においしさを捨てないようにするだけでは足りないです。
だってそもそも食べ物が届かない地域があるんだから。
世界では約8億人もの人が、食べ物を得られずに死んでいっているのが現状です。
「世界の隅々にまで食べ物を行き届けて、かつタベモノガタリを創り出さなければ。」
私の理想の社会を実現するにはこれも必要だと思っています。
理想の社会に対して現状とのギャップは場所によって大きく違う。当たり前ですが、だから世界を変えるのって大変だなって思ってます。
ここまで語っておき申し遅れました。竹下友里絵と申します。
私は神戸大学農学部に通う、ただの大学4年生です(ちなみに1~2年は関西学院大学総合政策学部にいました)。
「ああ農学部生か。農業とか好きなのか。だから食にこだわるんだな。」
って思った方いますか?
「田舎生まれとか?実家が農家なの?将来農家さんになりたいの?」
農学部と言って聞かれる質問トップ3です。
確かに農業は好きだし、50歳ぐらいになったら竹下米を作りたいなんてよく言っています。出身は兵庫県神戸市。実家も祖父母家も農家ではありません。
じゃあなぜ食にこだわるのか。それは食べるのが大好きな消費者だからです(笑)
実はもとはと言えば、"飢餓問題"や"国際協力"というワードから食の世界に入ってきたのですが、根本はこれなんだと思っています。
特に高校〜大学時代に様々な経験を通して、今は「"おいしさ"に溢れた社会」の実現を目指して事業を立ち上げようと奮闘しています。
これからのブログ投稿を通して、今日も何かを食べる1人の消費者であるみなさんに食に向き合うきっかけをお届けできたらいいなと思うし、共感してくださる方がいればぜひ一緒に何かさせていただきたいと思っています。
では長い目で、よろしくお願いします。