365日休みのない家事労働。そんな家事から解放される日を、というコンセプトで作られた記念日がある。9月25日は「主婦休みの日」だ。
ただ、Twitter上には、「休むとどんどん家事が溜まってしまい、結局休めない」といった声や「主婦が普段の全家事育児をになう前提なのでは?」といった声が上がっている。
そもそも「主婦休みの日」とは何か。この日を提唱したサンケイリビング新聞社に、コンセプトを聞いた。
夫も子どもも、普段から家事しようよ
主婦休みの日である9月25日、Twitter上ではさまざまな意見が飛び交った。
休みの日でも「休んだら誰が家事をやってくれるの?」という悲痛な声も。また、「家事休めば?」と言われても、家族に任せられずに休むことができないので、家事代行をお願いしたいという意見もあった。
主婦休みの日らしいですが、休むとどうなりますか。溜まっていく洗濯物、洗い物、部屋に落ちた髪の毛、浴室の髪の毛、どうなりますか。トイレットペーパーが補充されてないトイレ、敷きっぱなしの布団、ゴミ箱から溢れるゴミ、どうなりますか。おはようございます。
— m_e_g🐊 (@meeeeeg_0113) 2018年9月24日
また、この日だけ休みというのは「主婦が普段の全家事育児を担う前提。夫や子どもも普段から家事しようよ」 という声もあった。
「休みたい...」という読者の声から誕生
この記念日は2009年、サンケイリビング新聞社が日本記念日協会に申請。1月25日、5月25日、そして9月25日の3日間が「主婦休みの日」として認定された。
同社によると、読者の「家事には365日休みがない」「気兼ねなく家事を休んでリフレッシュする日がほしい」「家族や世間の目を気にして、休めない」という声をきっかけに、堂々とリフレッシュできる日を作ろうと提唱された。
ただ、1年に3日間ということで、Twitter上では休みが「年3日しか休めないのか...」「かなりのブラック企業」という声も上がった。
てか思ったんやけど、今日は主婦休みの日って言うけど、年に3回って少なすぎん?かなりのブラック企業やで?#主婦休みの日
— ドラ (@dooooraemon0903) 2018年9月24日
家事の忙しい長期休み明けに、「一息つきたい」
なぜこの3日間なのか。これは、主婦休みの日を申請するにあたり、同社に寄せられた読者の声で「GWのあと」「夏休みの後」「年末年始の休みの後」に一息つきたいという意見が多かったからだという。
同社の仁張裕美編集長は「家族の長期休みは、家事が忙しくなるという事情からだと思います」と話す。
夫婦間で家事認識のギャップを無くすきっかけに
ここでの「主婦」とは、普段から家事を主に担当している人をいい、「主夫」も含まれ、専業主婦(主夫)かどうかは関係ないという。
最初のきっかけでは、「休みのない主婦がリフレッシュできる日を」というコンセプトだったが、仁張編集長は「この日は、『家事を家族みんなで考えようという日』でもあります」と語る。
主婦=専業主婦、そして家事をになうのは女性であるという固定概念を変える日でもある。
内閣府によると、共働き世帯が1996年に逆転してから、専業主婦世帯を上回り続け、2016年には、共働きが1129万世帯となり、専業主婦世帯の1.7倍になった。
仁張編集長は、そうした背景から「『共に働き、共に家事をする』というスタイルが一般的になりました。その一方、夫と妻の家事への認識にはギャップがあることも。最近では、家事シェアというようなことも言われるようになってきましたが、家族で考える機会はなかなかないかもしれません」と指摘する。
そのうえで「主婦休みの日を家事について考えるきっかけの日にしてもらい、夫婦間で家事の認識のギャップが無くなっていくようになれば、うれしく思います」と話している。