コンピューターシステムとデータセンターにおけるチップ間の高速データ転送は、現行の情報処理におけるボトルネックの1つとなっている。
速度を高める1つの方法は電線ではなく光接続を使うことであり、過去10年の多大な取り組みによって、シリコンベースのナノフォトニック法が開発され、シリコンチップ内にそうしたリンクが集積されるようになった。しかし、エレクトロニクスとフォトニクスで使われる製造工程の間の不適合性が障害になることが分かっている。
今回C Sunたちは、エレクトロニクスとフォトニクスをうまく集積させた「システムオンチップ」マイクロプロセッサーについて報告している。
しかもこのマイクロプロセッサーは、現在の標準的なマイクロエレクトロニックチップ製造法で作製された。作製されたマイクロプロセッサーは7000万個のトランジスターと850個のフォトニクス部品を組み合わせており、外部と光学的に通信できる。
今回の結果から、新たな高速低電力コンピューターシステムアーキテクチャーを開発できる見込みが出てきた。
今回実現された「システムオンチップ」マイクロプロセッサーの近接拡大画像。 Credit: Sun et al.
Nature 528, 7583
2015年12月24日
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