スイス連邦水科学技術研究所(EAWAG)は10月10日、スイス国内の下水や排水処理施設から、3億円相当量の金や銀などが見つかったと発表した。時計メーカーの工場などから下水に流れ込んだと推定されるという。
流れ込んでいたのは、金銀のほかチタンやゲルマニウムなどのレアメタルを含む複数の金属。それぞれが微量だが、まとまると大量になる。例えば金の量は年間で43キロ、銀は3000キロ、ネオジム1500キロなどと推定され、合計すると年300万フラン(約3億4400万円)となる。
ただし、沈殿物の中から微量の金属を抽出するコストについては、効率が良いと言える状態ではない状態だ。
また、国中の下水にまんべんなく金属が含まれているわけではなく、金の量には地域差があった。金の精錬施設が集中している南部ティチーノ県では特に金属の蓄積量が多く、EAWAGは回収する価値があるかもしれないとみて調べている。