結婚の平等、通称「同性婚」の法制化を問う国民投票が9月26日にスイスで行われ、約3分の2の人たちが賛成票を投じた。法改正手続きを経て、同性婚が正式に認められることになった。
ヨーロッパではすでに15カ国以上が同性婚を法制化しており、そこにスイスも加わることになる。
歴史的な「イエス」
スイスでは、2020年12月に同性婚を認める法案が議会で可決された。
しかし、反対する保守派の政治家たちが同性婚の可否を問う国民得票に必要な署名を集めたため、最終決定は国民投票に委ねられることになった。
反対派たちは「同性婚を認めれば、従来の家族のあり方が損なわれる」と主張し、ロイターによると、同性婚賛成派への中傷やポスターを破る行為などもあった。
しかし国民投票では64.1%が賛成し、結婚の平等に「イエス」の意思を示した。法律は2022年7月1日に施行される見通しだ。
スイスでは、2007年にパートナーシップ制度が制定されたものの、認められていない権利もあった。
結婚の平等が実現した後は、同性カップルも子どもの養子縁組が可能になるほか、レズビアンカップルが精子提供を受けられるようになる。また、外国籍のパートナーがスイスの市民権を取得しやすくなる。
ジュネーブLGBT連合会のローラ・ラッソ副代表はAP通信に「今日はスイスにとって歴史的な日です。これは大きな前進であり、私たちは何年もこの日を待ち望んでいました」「同性婚を求める取り組みは2013年に始まり、私たちは8年待ちました。そしてこれは、とても大きな『イエス』になりました」と喜びを語った。
世界ではこれまでに29の国や地域で同性婚が認められており、スイスが加われば30になる。