スウェーデンの地下鉄で、妊娠中の女性が警備員によって電車から強制的に降ろされる「事件」が起きた。
その様子を撮影した動画がソーシャルメディアで拡散、大きな反響を呼んでいる。
事件が起きたのは1月31日。首都ストックホルムの中心部にある市営地下鉄のヒョートリエット駅で、停車中の車両に乗っていたアフリカ系とみられる女性が地下鉄の複数の警備員2人に腕をつかまれるなどしてホームに引きずり出された。
女性はわめくなどして抵抗したが、ベンチに顔を押し付けられ、抑え込まれた。そばでは女性の子どもとみられる女児が泣くなどし、別の警備員が駆けつける騒ぎになった。
一連の様子をスウェーデン人の女性ブロガーが動画撮影、Instagramに投稿した。
投稿の中で、ブロガーは「この動画を見れば、被害者が電車から引きずり出され、抑え込まれている間に子どもが引き離されたことがわかるだろう」などと記した。
また、このブロガーは、最近国内で公開された移民差別問題を描くドキュメンタリー作品に触れ、「作品が公開された今、もはや被害者が妊婦でも驚きはない」と批判した。
CNNによると、女性が地下鉄職員に乗車券を見せるのを拒み、騒ぎ出したことから警備員が駆けつけた可能性があるという。
地下鉄の広報担当者はCNNの取材に対し、「何が間違っていたのか、社内調査が行われている。事態を深刻に受け止めている」などと語った。
警察当局は女性が騒動後、救急車で病院に搬送されたことを発表した。