育児休暇制度が充実しているスウェーデンでは、父親の90%近くが育児休暇を取得している。
その育児制度が2016年からさらに充実したものとなる。父親のための育児休暇が3カ月に延長されるのだ。
現在スウェーデンでは父親と母親あわせて480日(約16カ月)の有給育児休暇を取得することができ、そのうち390日は休暇前の給与の80%が支払われる。
16カ月のうちの父親のみが取得できる育児休暇は2カ月だが、新たな制度はその期間を1カ月延ばして3カ月にする。育児休暇は子どもが8歳になるまで取得でき、新たに子どもができるたびに育児休暇が加算されるため、子供が多いほど休暇日数は増えることになる。
積極的な育児参加を促すため、育児休暇は使われないと消滅してしまう制度になっているが、子供が8歳の誕生日を迎えるまでは両親は勤務時間を最大25%短縮することができる。
男女平等の育児を促進するためにスウェーデン政府が育児休暇を導入したのは1995年だとニューヨークタイムズ紙は伝える。父親が60日の育児休暇を取得できるようになったのは2002年からだ。
また、スウェーデン政府は16歳未満の子供がいる家庭に、子供ひとりあたり月々およそ125ドルの児童手当も提供している。
スウェーデンの育児休暇制度がいかに充実しているか、アメリカの育児休暇制度と比べるとよく分かる。
アメリカで育休制度を設けている州はカリフォルニア、ロードアイランド、ニュージャージーだけで、それ以外の州では勤務先の企業が育児休暇制度を整備していない限り、有給育児休暇はない。
しかもこの法律が適用されるのは、アメリカの労働者の半数にすぎず、小規模企業やパートタイム、フリーで働く人には、育休の権利が保証されていない。
アメリカは、育児支援制度に関しては、スウェーデンにまだまだ遅れを取っているといえるだろう。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:梅田智世/ガリレオ]
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