アメリカの連邦最高裁判所は法の下での平等を守る憲法上の保障によって、ゲイやレズビアンのアメリカ人に結婚する権利が与えられるかどうかについて最終判断を下す。
これまで最高裁は州ごとに定められた同性婚の合憲性を判断することを避けていたが、36州で同性婚が認められた一方、オハイオ州など4州で同性婚禁止法を支持する判決が出たことで判断が分かれたため、最高裁が是非を決定せざるを得ない状態となった。
連邦最高裁の9人の裁判官は1月16日、オハイオ州シンシナティの第6巡回区控訴裁で下された同性婚について判断が分かれた判決の再審理を決めた。この控訴裁の判決はオハイオ州、ミシガン州、ケンタッキー州、テネシー州で同性婚禁止法を支持するものだった。ジョージ・W・ブッシュ大統領が任命した2人の判事が下した判決は、連邦控訴裁が同性婚禁止法を支持した初めての事例だった。他の控訴裁では同様の禁止法を違憲とする判決が出たあとのことだ。巡回区控訴裁の間で意見が割れてしまったことで、上級裁判官がこの訴訟を取り上げることにつながったと見られる。
最高裁は議論に耳を傾け、6月をめどに判決を下す見込みだ。
最高裁は具体的に2つの審理を行う。1つは、憲法修正第14条は州に対して2人の同性間の結婚の認可を要請するのかどうかという問題。もう1つは、憲法修正第14条は、同性婚が州外で法的に認められ行われた場合、州に対してその同性婚の承認を要請するのかどうかという問題だ。
また、最高裁裁判官はこの訴訟(実際には4件の訴訟が連結している)の口頭弁論は通常より長くなることを通知した。最初の審理に90分、2つ目の審理にはさらに60分加わる。
この訴訟を審理する決定を下したことで、連邦最高裁は2013年から始まった同性婚に関する判決の流れに戻ることとなる。2013年6月26日、最高裁は結婚防衛法(DOMA)の一部を無効にした。1996年に制定されたDOMAでは連邦政府が同性婚を認めることを禁じていたが、その主要条項に対して5対4で違憲という判決を下した。同日、最高裁は州の同性婚禁止法の合憲性を問う個別の訴訟に基づく判決を避け、代わりに一個人には法廷でカリフォルニア州の法律を弁護する当事者資格がないことを明確にした。
アンソニー・ケネディ判事によるDOMAの判決に基づく形で、全国の連邦裁判所はいくつかの州の同性婚禁止法を無効とした。最高裁が同性婚を禁止しようとする5つの州からの控訴を棄却した2014年10月までに、この問題を扱ってきたすべての連邦控訴裁が同性婚禁止法が違憲であるという判決を維持していた。結果として、最高裁はこの問題を扱わないとはっきり結論づけることになった。
しかし、第6巡回区控訴裁の判決は明らかに最高裁判事たちが考えなおす結果となった。
2015年1月初めにフロリダが加わり、36の州とコロンビア特別区が今では同性婚を認めている。これはアメリカの人口の70%にのぼる。
この訴訟を審理するという最高裁の決定は、残りの14州にも同性婚の権利を広げていく可能性がある。アントニン・スカリア判事が2013年のDOMA訴訟で激しく異議を唱えた時に言った「これは避けられないことだ」が結果となって現れた。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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