自称「スキのない女」がモテない理由は別にある

「スキのない女」達の最も大きな間違いは、ありのままの自分を互いに理解しあって受け入れあうのが恋愛だと思っているという点です。
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JGI/Jamie Grill via Getty Images

大人の女性が自らのモテない理由を分析すると「私には男性がつけ入るスキがないから」という所にたどり着くことが少なくありません。しかしそれは、「自分に魅力がないから」ではなく「自分の生き方に問題や間違いがあるから」でもなく「スキのある女にしか言い寄ることができない世の男性が弱々しいから自分がモテないだけで自分自身は悪くないのだ」ということにしておきたい彼女等の一方的な主張でしかありません。

彼女等の主張にはいくつかの間違いと事実誤認が含まれています。

まず彼女等の主張を整理してみましょう。

・スキのない美しい女性よりスキだらけのかわいいタイプの女性の方がモテやすい

・スキだらけの女性にしか手を出せない男は弱々しくてロリコンにちがいない

・そもそもスキのある女性はスキのある女性を演じているにすぎない

・男性が求める「かわいい女性像」はファンタジーであって現実にそんな女性は存在しない

・そんな見え透いた演技も見抜けないなんて世の中の男のレベルが低すぎる

・私は自分を偽ってまでモテたいとは思わない

・自分を偽ってパートナーを見つけても、私のことを理解してもらえるわけがない

・そんな偽りの関係には意味がない

部分的に正しいところもあるのですが、残念ながらここには大きな間違いがいくつか含まれています。

まず「スキのない美しい女性よりスキだらけのかわいいタイプの女性の方がモテやすい」というところは明確な事実です。「そもそもスキのある女性はスキのある女性を演じているにすぎない」「男性が求めるかわいい女性像はファンタジーであって現実にそんな女性は存在しない」といったあたりも間違えていません。

しかし男性がなぜそういう女性に惹かれるのかというところを、自称「スキのない女」達は分かっていません。

たしかに、男性が求めるかわいい女性像は男のファンタジーですし現実に生まれつきアヒル口の女性は存在しません。しかし男性が求めるかわいい女性像を演じてくれる女性は存在します。

一方で、「女はいくつになっても女のまま」「いつまでも美しい女でいるために努力を怠らない」「母でもあり妻でもあり女でもある」などなど、世の中は女のファンタジーに満ちあふれています。そして世の中の男性の多くはそんな「女のファンタジー」に異論を挟まずに全面的に受け入れています。

「男のファンタジーにつきあってくれない女性」と「男のファンタジーにつきあってくれる女性」がいたら、多くの男性は後者を選びます。女のファンタジーにはつきあってもらわなくちゃ困るけど男のファンタジーになんてつきあうつもりはありません、という女性が男性から選ばれにくいのは当然のことではないでしょうか。

「スキのない女」達はスキのある女を演じる同性を嫌悪します。男に媚びるような生き方は自分にはできないし、そんなことをしても意味がないと思っています。しかし元々、人は自分を演じて生きています。家族の前での自分、職場での自分、学生時代の友人の前での自分、意図的に使い分けているわけではありませんが、人は誰もいつのまにか複数の自分を演じながら生きています。「スキのない女」として生きていた人が、次の職場では男性が求めるかわいい女性像を少しだけ取り入れることにしたとしても、それは大きな変化ではありません。

「スキのない女」達の最も大きな間違いは、ありのままの自分を互いに理解しあって受け入れあうのが恋愛だと思っているという点です。しかし、そもそもの話として「ありのままの自分」というのは存在しませんし、人が人を完全に理解するということもありえません。彼女等は存在しないものを手に入れようと待ち続けながら、存在するものを手に入れている同性を嫌悪しているわけです。

もし彼女等から、自分を理解してくれない人とつきあってもそこに幸せがあるとはかぎらない、と反論されたらたしかにその通りです。しかし自分を理解してくれる人を一生待ち続けるだけの人生が幸せでないことは間違いありません。

さて、あなたはどう思いますか?

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(2014年7月22日「誰かが言わねば」より転載)