ニューヨークに住む友人が「道を歩いていると男たちが声をかけてきて嫌だ」と愚痴をこぼしていたことがある。
「かわいいね」
「どこ行くの?」
「名前教えて」
でもこれって、ニューヨークに限った話ではない。
道で突然、女性に声をかける「ナンパ」行為は、英語では「キャットコール」や「ストリート・ハラスメント(ストハラ)」と呼ばれる。
声をかけている方は気付いていないかもしれないけれど、かけられた女性にとっては「ハラスメント」と感じる不快な行為。
オランダ・アムステルダムに住む20歳のノア・ジャンスマさんは、女性がどれだけストハラを受けているかを知ってもらうために「1カ月の間に、自分にストハラ行為をしてきた男性と自撮りをし、Instagramにアップする」というプロジェクトを始めた。
彼女がつくったInstagramアカウント @dearcatcallers には、こう書かれている。
「このInstagramは、日々の生活で女性がどれほど物のように扱われているかを知ってもらうためにつくりました」
「ストハラが、どれだけ多く、どのように起きているか。それを知らない人が、まだ沢山います。この1カ月で私にストハラ行為をしてきた人たちを、ここで紹介します」
そして、2017年9月にストハラをしてきた男性たちに自撮りさせてくれるように頼んで、撮った写真をInstagramに掲載した。
写真は全部で24枚。中にはしばらく後をついてきた人もいた。
ジャンスマさんは、ひとりも自撮りを断らなかったことに驚いたという。「彼らは自分が悪いことをしているとは思っていないのでしょう。これは普通のことだと思っているのかも」とオランダの新聞Het Paroolに語っている。
また、Instagramに載っている写真は24枚だが、インディペンデント紙によると自撮りを頼むのも怖くてすぐにその場を離れたケースもあったので、実際にはもっと大勢からストハラを受けたことになる。
ジャンスマさんは最後にこんなメッセージを投稿している。
「1カ月の投稿は終わりました。だけど、ストハラがなくなったわけではありません。ストハラが私だけでなく世界中の女性に起きていると知ってもらうために、このアカウントを他の国の女の子たちと一緒に続けていきます」
Het Paroolによると、ジャンスマさんがこのプロジェクトを始めた理由は、女性がこれほど多くのストハラを受けていることに、男性の友人たちが全然気付いていなかったこと。
「ストハラはダメ」。もっとたくさんの人に知ってもらいたい。
ちなみに、インディペンデント紙によると、ジャンスマさんが住むオランダでは2018年1月1日から、ストハラ行為に対して190ユーロ(約2万5000円)の罰金が課せられる。