大阪市が30代と40代の男性カップルを、養育里親に認定したことがわかった。2人は2月から、市から委託された10代の子供1人を預かっている。厚生労働省によると、同性カップルが養育里親に認定されたのは「過去に聞いたことがない」としており、全国でも初の事例とみられる。4月6日、産経ニュースなどが報じた。
里親制度は親の不在や虐待などで家庭で暮らせない子供を希望した世帯が預かる仕組み。NHKニュースによると、大阪市は市内に住む男性カップルから、養子縁組を結ばずに一定期間、子供を預かり育てる「養育里親」になりたいという申し出を受け、その後、児童相談所による調査などを経て、2016年12月に2人を里親に認定した。
各自治体は厚労省のガイドラインに基づき、里親制度を運営している。ガイドラインは里親希望者の要件について、「経済的に困窮していないこと」などの項目はあるが、同性カップルかどうかは定めていない。
毎日新聞によると、厚労省家庭福祉課は「ガイドライン上、同性カップルでも里親を希望することは可能」としている。大阪市は「里親の認定要件を満たしていて、里親として適切である」という市の審議会の答申を受けて、認定を決めたという。
厚労省公式サイトによると、保護者のない児童や被虐待児など社会的養護の対象となっている子供は、2017年3月時点で、約4万6000人。大半は児童養護施設などで暮らしており、里親に預けられているのは4973人と、約1割程度だ。