「25年も待ったのに、今夜はビヨンセに会えなくなってしまった」
ビヨンセの長年のファンであるジョン・へザリントンさんは、脳性まひのため生活には車いすを使っている。ライブ会場に向かうための飛行機で、車いすの大きさが原因で搭乗を拒否されたといい、急きょライブに行けなくなってしまったが、後日ある“奇跡”が起き話題になっている。
「またエイブリズムに襲われた」
ビヨンセは現在、最新作「ルネッサンス」のワールドツアー中。へザリントンさんは9月14日のワシントン州シアトル公演までの移動手段に、飛行機を使う予定だった。
しかし、想定外の出来事が起こった。航空会社が、へザリントンさんの車いすの座席の位置が通常のものより高かったという理由で、車いすを乗せることができないため、飛行機への搭乗を拒否したというのだ。
25年間、ビヨンセのライブを待ち望んでいたというへザリントンさんは、SNSにその失望の大きさを訴える動画を投稿した。
「25年間待ったのに、今夜はビヨンセに会えなくなってしまった。またエイブリズム(編集注:非障害者優先主義。障害があることなどを理由に不当な差別を受けることをいう)に襲われた」
この投稿は多くのビーハイブ(ビヨンセのファンの愛称)の目に留まり、SNS上でビヨンセ本人も気づくよう、ハッシュタグやメンションをとばす投稿が相次いだ。
このファンらの行動のおかげで、へザリントンさんの動画は、ビヨンセにも届いたようだ。ニューヨーク・タイムズによると、ビヨンセのスタッフはへザリントンさんに連絡をとりライブに招待。飛行機を含む交通手段も手配したという。
ビヨンセ本人と対面「ビーハイブのみんなのおかげ」
無事にテキサス州アーリントンのライブに参加できたへザリントンさんは自身のSNSにライブ会場の写真を投稿。「今夜、初めてコンサートのフロアの席に座ることができた」と感動をつづり、「ビーハイブのみんなのおかげ」だと感謝を伝えた。
さらに、へザリントンさんはビヨンセ本人と、ビヨンセの母のティナ・ノウルズさんにも会うことができたといい、「あなたが私に言ってくれた言葉と、ハグしてくれたことを大切に覚えていたい」と喜びをあらわにした。
ハフポストUS版ではビヨンセの代理人にこの出来事についてのコメントを求めたが期限までに返答はなかった。
へザリントンさんが搭乗を拒否されたというのはアラスカ航空で、その後航空会社に対し苦情を申し立てたという。同社はこの件で声明を発表し、「私たちは、お客様の当社での旅行体験について大変残念に思っています。今後は、今回のような状況になった時、より適切な対応をとることを目指します」とコメントした。
へザリントンさんは、ビーハイブの熱心なサポートに「本当に感謝している」とし、こうも話している。
「スペースをより利用しやくするために、このような出来事が起きた時ただ見過ごすのではなく、実際に行動することを願っています。それが私にとって重要なんです」
※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。