性教育YouTuber、産婦人科の内診台を「セックスマシーン」とツイート。医師は「スティグマを助長」と批判【UPDATE】

内診台は、産婦人科などで必要な診察を行うためのものです。
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登録者数13万人以上の「性教育YouTuber」が、産婦人科などで使われる内診台についてTwitterで「セックスマシーン」などと投稿し、批判を集めている。

産婦人科医はこうした投稿によって、内診に対する「スティグマ(誤った負の認識)が助長されてしまうのでは」などと影響を懸念している。

「性教育とは真逆の行動では」

問題になっている投稿が行われたのは2023年1月9日。「足上がり過ぎてセックスどころじゃないセックスマシーンw」などというコメントとともに、群馬県にある性に関するミュージアム内で撮影されたと思われる動画が投稿された。

30秒ほどの動画では、YouTuber本人が展示された内診台に座っている。内診台は産婦人科で子宮などの内診を行う際に使われる、イスに足を支える部分がついたものだ。動画のものは電動でイスの高さが上がり、足を支える部分が広がるタイプだ。電動でイスが動き始めて足が開かれると、YouTuberが笑っている様子が撮影されている。

内診台は、女性が健康を守るために必要な診察を行うものだ。内診台に座ることに対して抵抗を感じる女性も少なくない。そうした中で「性教育YouTuber」として活動する人物がこうした投稿をしたことについて、2月に入って多くの批判が寄せられている。

「あなたは産婦人科で内診台に乗らざるを得ない女性たち全員を侮辱しています」「強く抗議します」「性教育とは真逆の行動では」

YouTuberは普段、男性向けの性の悩み、性的同意や避妊方法などについて発信している。ハフポスト日本版はYouTuberに対し、批判をどう受け止めているかなどについてコメントを求めており、返信があり次第追記する。 

 

産婦人科医「率直に言ってショックですし、侮辱的だと感じます」

産婦人科医の宋美玄さんは「ベッドに比べて膣鏡やエコーの操作角度に幅が出る内診台は、より正確に見落としなく診察や処置を行うためのもの。患者さんは好きで乗っているわけではないですし、私たち産婦人科医も、患者さんの羞恥心などに配慮した上で、質の高い診察をするために使っています」と意義を説明。

「そうした中で性教育に関わる方がこういった投稿をするというのは率直に言ってショックですし、侮辱的だと感じます」

内診に苦手意識を持っている患者も少なくないことから、こうした投稿が行われることで「内診の意義が正確に理解されず、よりスティグマ(誤った負の認識)が助長されてしまうのではないかと懸念しています」と話した。

 

【UPDATE 2023/2/9 10:50】

産婦人科医によるコメントを追加しました