安住紳一郎アナ、“局アナのタブー”に連日切り込む。他局のドラマを「大好き」と熱弁。ハマったその作品とは?

自らが勤めるTBS社員が薬物で逮捕された不祥事についても「一人の同僚」として個人の見解を述べ、スルーしなかった。その姿勢に反響が広がっている。
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TBSの安住紳一郎アナウンサー
©︎TBS

TBSで不動の人気と絶大な支持を得ている安住紳一郎アナウンサー。情報番組での司会進行の安定感や、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組での軽妙な語り口にはファンが多い。

その人気を支える一因と言えるのが、あまり忖度せずに“局アナのタブー”とされる事柄にも切り込んでいく姿勢かもしれない。そう思わせる瞬間があった。

安住アナのラジオ番組『安住紳一郎の日曜天国』では1月22日、他局のドラマを「好き」と公言し、ゲストと共にトークを広げた。

「他局なんですけど...」

安住アナは番組でフジテレビ系で放送されていたドラマ『イチケイのカラス』を好きな作品として挙げた。同ドラマは2021年に放送された刑事裁判官を描いた作品。

奔放で「裁判所主導で捜査を行います」という姿勢を頻繁にみせる裁判官の入間みちおを竹野内豊さんが、対照的に理論派のエリート裁判官・坂間千鶴を黒木華が演じた。同ドラマは映画化され、現在公開中だ。

22日のラジオ番組には、黒木さんがゲストとして登場。過去3度にわたって日本アカデミー賞を受賞した黒木さんが「作品に恵まれています」と謙遜すると、安住アナは「そうですかぁ〜?」とやや疑いの“ジャブ”を入れつつ、「いや実力だと思います」とコメントしていた。

話題が『イチケイのカラス』に及ぶと、安住アナは「(このドラマが)大好きで、私、他局なんですけど見てました。サントラのCDを買ってしまいました」と告白。

それに対し、黒木さんは「めちゃめちゃ見てくださったんですね。うれしいです。ありがとうございます」と答えていた。

ドラマに限らず、放送局のアナウンサーが「他局の番組」に触れることは“タブー”とされている風潮があり、番組で触れるケースはまだそう多くない。

映画化された作品かつ黒木さんがゲストだったとはいえ、珍しいことだった。局アナでありながらあまり忖度をしない率直な言葉が、支持を集めている。

自局社員の「不祥事」もスルーせず

忖度しない姿勢が見えた瞬間がもう一つあった。

安住アナは24日、自身がメーンキャスターを務める『THE TIME,』に出演し、23日に同局社員が逮捕されたことについて見解を述べた。

警視庁は23日、覚醒剤を使用したとして、覚醒剤取締法違反の疑いでTBSテレビ広報部の女性社員を逮捕した。

安住アナはまずは「昨日、TBSの社員が覚醒剤を使ったということで警察に逮捕されました。本人も容疑を認めているということです」と事件に触れた。

続けて、「私の2歳年下の女性社員なんですが、私は彼女のことを新入社員の頃から知っています」と前置きした上で、「違法薬物とは無縁のような真面目な社員でしたが、今回のニュースに触れて同僚はみな、一堂に驚いています」とし、「視聴者の皆さま、世間の皆さまに深くお詫びを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と放送局を代表して謝罪した。

その後、安住アナは「違法薬物がごくごく身近、周りにあふれていることを改めて知りました。そして、私たちはこういうことを決してしないように、改めて今日からまた勤務に励みたいと思います」と改めてコメント。

最後は、「会社の公式見解・コメントと私の今日のコメントは違うものとして、1人の同僚としてのコメントとして聞いていただければ嬉しいです」と付け加えた。

放送局が自局の不祥事などについては番組で触れないこともある。その姿勢については、「さまざまな事件を報じるのに、自局の不祥事は報じないのか」と批判の声も少なくない。

安住アナは会社を代表して謝罪した上で、さらに「個人」として不祥事に触れていた。

自局社員の「不祥事」をスルーしなかったことに対し、「ちゃんと自分の言葉で立場的に言いづらい事に対しても意見を言うことができるのが素晴らしい」などとコメントが寄せられていた。