アメリカでアカデミー賞の前哨戦とされる第80回ゴールデングローブ賞の授賞式が、日本時間1月11日に開催されている。
受賞者や受賞作品が続々と発表される中、特に大きな話題となっているのが、1980〜90年代に 『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』『グーニーズ』などで人気子役として活躍したキー・ホイ・クァンが、助演男優賞を受賞したことだ。
授賞式にはスピルバーグ監督も。壇上で感謝伝える
クァンは、SFアドベンチャー映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でミシェル・ヨーの夫役を演じている。Varietyによると、クァンが演技に関する賞を受賞するのは今回がキャリア初だという。
受賞スピーチでは、クァンは感極まった様子で涙を流しながら、授賞式に参加していた『グーニーズ』で原案・製作総指揮を務めたスティーヴン・スピルバーグ監督に直接感謝を伝えた。
「私は自分がどこから来たのか、そして、誰が最初にチャンスを与えてくれたのかを決して忘れることなく、いつも心に留めているようにと育てられました。
今夜ここでスティーヴン・スピルバーグに会えてとても嬉しいです。スティーヴン、ありがとう」
「(『インディ・ジョーンズ』で)子役としてのキャリアを始めた時、選ばれたことがとてもラッキーだと感じていました。
歳を重ねるにつれ、あれは運に過ぎなかったのだろうかと思うようになりました。何年もの間、私はあの時以上のものを提供できないのではないかと怯えていました。何をしても子ども時代に達成したものを超えることはありませんから。
けれど、(子役時代から)30年以上が経った今、2人の男性が私のことを覚えてくれていました。彼らはあの子を覚えていて、もう一度挑戦する機会を与えてくれたんです」
そしてクァンは、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の監督であるダニエル・クワンとダニエル・シャイナートに感謝を伝えた。
ダニエル・クワンは、クァンと同じくアジアにルーツを持つ映画人。クァンは、2022年にインタビューで、「ハリウッドで、子役から大人の俳優へとスムーズに移行できる人はほんの僅かです。ほとんどの子役にとっては困難で、アジア系の場合、その100倍も1000倍も難しいでしょう」と話していた。
近年は俳優業に復帰
中国やベトナムにルーツをもつクァン(ジョナサン・キー・クァンの名前でも活動)は、1984年に『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』で子役デビュー。翌年には『グーニーズ』にも出演し、発明が趣味で、科学に関する膨大な知識を持つことから「データ」と呼ばれる少年リッキー・ワンを演じ人気を得た。
子役としての活躍後は映画の作り手側となり、アメリカやアジアの映画を中心に、武術指導やスタントコーディネーター、通訳などを担当。
近年では俳優業に復帰しており、2021年にNetflix映画『オハナ』に出演。マーベルスタジオのドラマ『ロキ』シーズン2への出演も決定している。