餅による窒息に警戒を。死亡事故が1月に集中 「周りが見守って」食べる時の注意点は?

お雑煮や磯部焼きで大活躍のお餅。65歳以上の窒息事故による死亡者数は1月に集中し、特に正月三が日は多くなっています。

年末年始やお正月シーズンに気をつけたいのが、お餅を喉に詰まらせることによる窒息事故です。例年、高齢者がお餅を喉に詰まらせて亡くなる事故は後を絶ちません。

お餅を食べる時は小さく切ったり、周りの人が見守ったりするよう、消費者庁が呼びかけています。

お餅による死亡事故は1月に集中している

消費者庁の公表資料によると、65歳以上の「お餅」または「もち」を含む窒息事故による死亡者数は、1月に集中しています。
2018年から2019年には計661人が亡くなっていて、そのうち43%を占める282件が、1月に起きた事故でした。
さらに、正月三が日の事故の発生件数は 127 件(19%)、元旦では 67 件(10%)で、特に正月三が日に死亡事故が多いことが分かっています。
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消費者庁公表の資料より
高齢者の餅の窒息事故による死亡者数(事故発生月)

 

お餅を食べる時の注意点は?

高齢者は、歯の機能が衰え、噛む力が弱くなるなどの様々な要因で、窒息のリスクが高くなるといいます。
消費者庁は、お餅を食べる際は、以下の点に注意するよう呼びかけています
  1. 餅は、小さく切り、食べやすい大きさにしてください。
  2. お茶や汁物などを飲み、喉を潤してから食べましょう。(ただし、よく噛まないうちにお茶などで流し込むのは危険です。)
  3. 一口の量は無理なく食べられる量にしましょう。
  4. ゆっくりとよく噛んでから飲み込むようにしましょう。
  5. 高齢者が餅を食べる際は、周りの方も食事の様子に注意を払い、見守りましょう。

もし喉に詰まってしまったら応急手当を

万一窒息事故が起きてしまったら、どうしたらいいのでしょうか。
政府広報オンラインによると、まず呼びかけてみて声が出せるかどうかを確認し、声が出せない場合は喉に詰まったお餅の除去が必要だとしています。咳ができる場合はできる限り咳をさせ、強い咳ができない場合は窒息と判断します。
周りの人に119番通報やAEDの準備を依頼し、異物除去を行います。救助者が1人だけの場合は、餅を詰まらた人に反応がある間は、119番通報の前に異物除去をします。
除去方法は、「背部叩打法(はいぶこうだほう)」と「腹部突き上げ法」があり、背部叩打法で餅が出てこないときは、腹部突き上げ法を行います。ただし、腹部突き上げ法は「乳児や妊婦、高度肥満のかたには行ってはいけない」としています。
政府広報オンラインでは、もし窒息の対応方法が途中で分からなくなったら、119番通報をして落ち着いて指示に従うよう勧めています。
「背部叩打法」と「腹部突き上げ法」の方法は、東京消防庁のYouTubeチャンネルや、日本医師会の公式サイトなどで掲載されています。