ロシアのウクライナ侵攻が始まってから約10カ月が経った。
この戦争は子どもたちにも壊滅的な影響を与えている。
国連は、プーチン大統領がウクライナに軍隊を派遣して以来、約400人の子どもたちが死亡し、700人以上が人生を変えるような負傷を負ったと推測している。しかし戦争は今なお続いており、被害の全体像を把握するのは困難なため、実際の数字はもっと高いと見ている。
また、ヨーロッパでは第二次世界大戦以来最大の難民危機で、ウクライナから約800万人が他のヨーロッパ諸国に避難し、さらに650万人が国内で避難している。
ウクライナ人写真家のAnastasia Vlasovaさん, Alina Smutkoさん, Nina Sologubenkoさんの3人は、子どもたちを支援する民間団体「セーブ・ザ・チルドレン」のため、ウクライナの子どもたちが現地や避難先の国でどのように今年のクリスマスを過ごしているかを撮影した。
*身元を保護するため名前を変えています。
母親であるOksana*さんは、8歳の娘の髪がストレスで白髪になり始めていると話す。「私の長女を見てください。まだ8歳なのに、白髪があります。彼女には話してないけど、髪を編むとき涙が出ます。まだ小さいのにそれだけのことを目にしてきたなんて」
「もし家に爆弾が落ちたらこのまま私たちは埋もれてしまう、と思いながら地下室に座っているのはとても怖かった。その時、自分のことは考えていません。子どもの身を心配するのです。」
12歳のKarina*さんは写真家に「何かが欠けています…ウクライナらしいクリスマスの雰囲気というか」と語った。
多くの子どもたちは父親と離れている。多くがウクライナ軍に徴兵されているからだ。
6月に家族と共にイギリスの海辺の町に逃れてきた9歳のMasha*さんは、ウクライナに残してきた父親と半年以上会っていない。「お父さんに会いたい。せめて電話で話したい」と話す。
「絵を描いたら全部本当になるってお父さんに聞いたんです。だから、来夏一緒にビーチにいる絵を描きました。お父さんを描いていたら、嬉しい気持ちになりました」と話す。
そして彼女は、クリスマスには「平和」が欲しいとつけ加えた。
7児の母であるOlha*さんはセーブ・ザ・チルドレンに、「今年はお祝いムードではありません。ただ戦争が終わり、平和に暮らせることを願うだけです」
「クリスマスも新年も、何もいりません。人が死んでいる中、祝うことなどできません」と話し、夜にカサカサ音がする度怯えていると述べた。
ロシアからの攻撃の影響を受けている、ウクライナ人の子どもたちの今を捉えた7枚の写真を紹介する。
ウクライナの子どもたちが直面するこうした現実はキーウでも注目されている。
ゼレンスキー大統領は9月、学校の新年度の初日にビデオ演説を行い、こう述べた。
「彼らは君たちの子ども時代の一部、青春時代の一部を盗んだ。でも、君たちは自由だ。これからもずっと。だからあなたの心に、そして私たちウクライナの心に恥じない存在になってください」
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。