「ヘルプマーク」酷似の椎名林檎さんグッズ、本人の「参画・監修なし」と販売元が説明【発表全文】

CD販売元のユニバーサルミュージックは10月、物議を醸していた椎名林檎さんのアルバム関連グッズのデザイン改訂と、アルバムの発売延期を発表していた。
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デザイン改訂前のアルバム付属グッズのカードケース
ユニバーサルミュージック

椎名林檎さんのアルバムにつく付属グッズが「ヘルプマーク」や「赤十字マーク」に酷似しているとして批判を浴びた問題で、CD発売元のユニバーサルミュージックは11月1日、問題となったグッズは椎名さん本人が「参画・監修した制作物ではない」と公式サイトで説明した

同社は10月、椎名林檎さんのアルバムに付属するグッズのデザイン改訂と、アルバムの発売延期を発表していた

 

「椎名林檎の信念を傷つける事態引き起こした」

今回の発表で、「改めまして、ヘルプマークをご利用の皆様、普及に努められている皆様へご不安・ご不快な思いを抱かせてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます」と重ねて謝罪。

その上で、物議を醸した付属グッズは椎名さん自身が参画・監修したものではなく、内容とデザインはあくまで同社が企画・検討していたと述べた。

さらに、デザインを確定する過程で「法令の確認を含めた各種チェックが不十分」だったとして、「内容について問題要素を孕んでいないという誤った認識のもとで制作を進めていました」と経緯を説明した。

こうした認識が、「アーティスト自身の発案によるデザインであるという根拠のない噂を生んでしまった」「椎名林檎のクリエイティビティや信念を傷つける事態を引き起こしてしまいました」として、椎名さんや関係するアーティスト、スタッフ、ファンに対し謝罪した。

 

何があった?

東京都福祉保健局のサイトによると、ヘルプマークとは、援助や配慮を必要としている人が、そのことを周囲に知らせることができるマーク。

義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人などが対象だが、身体機能等に特に基準を設けているわけではない。赤地に白の十字とハートマークが描かれている。

問題となっていたのは、椎名さんの新アルバム「百薬の長」【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】につくカードケースなどの付属グッズだ。当初のデザインでは、ヘルプマークと同じく赤地で、白い十字とリンゴのマークがあしらわれていた。

ユニバーサルミュージックは10月18日、該当グッズのデザイン改訂とアルバムの発売延期を発表

日本赤十字社や東京都福祉保健局からも、ヘルプマークや赤十字マークの使用規定などについて指導を受けたことを踏まえ、デザイン改訂を決定したと説明していた。

 

 

▼改訂後の新デザイン

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改訂後のマスクのデザイン
ユニバーサルミュージック
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改訂後のマスクケースのデザイン
ユニバーサルミュージック
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改訂後の諸々券ケース(アクリル・カードケース)のデザイン
ユニバーサルミュージック

 

ユニバーサルミュージックの11月1日の発表全文は以下の通り。

【発表全文】

椎名林檎オフィシャル・リミックスアルバムの発売延期に関する経緯とお詫び

11月30日に発売を予定しておりました椎名林檎オフィシャル・リミックスアルバム「百薬の長」【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】につきましては、付属するグッズの内容について、多くの皆様からご意見をお寄せ頂きました。

これを踏まえ弊社は当該商品の付属グッズのデザインの改訂及び発売の延期を10月18日に発表いたしました。

改めまして、ヘルプマークをご利用の皆様、普及に努められている皆様へご不安・ご不快な思いを抱かせてしまいましたことを、深くお詫び申し上げます。

弊社としては、その後も、多くのご意見・お問い合わせを頂いておりますことを重く受けとめ、この度の経緯および今後の対応について説明いたします。

当該商品は、ユニバーサル ミュージックが独自に企画立案し、制作、そして発売を弊社の責任・管理下のもと、進めていた作品となります。今回問題となった【UNIVERSAL MUSIC STORE限定盤】の付属グッズは、椎名林檎本人が参画・監修した制作物ではありません。内容およびデザインについては、あくまで弊社が企画検討したものとなります。

弊社はそのデザインを確定する過程において、法令の確認を含めた各種チェックが不十分でした。にも関わらず、その内容について問題要素を孕んでいないという誤った認識のもとで制作を進めていました。

これがアーティスト自身の発案によるデザインであるという根拠のない噂を生んでしまったことで、椎名林檎のクリエイティビティや信念を傷つける事態を引き起こしてしまいました。椎名林檎氏、本作品に参加頂いたアーティスト、スタッフの方々、そして、ファンの皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

今回の事態は、弊社のコンプライアンス/倫理認識の至らぬ結果であり、この事実を深く反省し、事態を引き起こした原因・責任を負うものとして認識しております。

本件に関しまして、多くの皆様からのご意見、そして日本赤十字社及び東京都福祉保健局からご指導を頂きましたことを重く受け止め、今後は制作物に対するチェック体制および社員向けのコンプライアンス/倫理教育についても改めて見直し、再発防止につとめてまいります。