食品や飲料の値上げ、年内に「2万品目」突破ーー。
帝国データバンクが主要な食品・飲料メーカー105社を対象に調べたところ、8月31日までに年内の値上げが判明している品目が累計で2万56品目に上ったという。
9月1日に発表した調査結果によると、主要105社のうち、2022年に値上げを行ったのは8割にあたる82社で、2021年の21社から約4倍と急増。同社によると、2021年の値上げは「主に食用油価格の高騰を理由としたもの」だったといい、影響は限定的だったという。一方、2022年の特徴については、食用油や小麦などの食材の値上がりに加え、「原油高に伴う包装資材や容器、物流費の高騰、急激な円安が重なり、ほとんどの食品・飲料で値上げが行われている」と分析した。
値上げとなった品目を分野別にみると、最も多いのは加工食品で8530品目。値上げ率も平均で16%に達し、2022年後半にかけて大幅に値上がりする食品が多いという。
調味料は4651品目で、砂糖や食用油が値上がりしたことを背景に、だし製品や焼肉のたれ、マヨネーズ製品など幅広い品目で値上げとなった。
飲料については、10月にビール類や清涼飲料水で一斉値上げが予定されていることから、全分野で3番目に多い3814品目だった。
今後の見通しについて、帝国データバンクは「11月以降の値上げは年内2番目の少なさで、値上げの波は秋口をピークに一旦収まる気配をみせている」などとしつつも、「電気代や燃料費、人件費に加え、食用油など一部の原材料では足元で高止まりが続いており、断続的な値上げが今後も続く可能性は残されている」と分析している。