スタジオジブリの名作『耳をすませば』が8月26日午後9時から、「金曜ロードショー」(日テレ系)で放送されます。
小説家を夢見る読書好きの女の子・月島雫と、バイオリン職人を目指す男の子・天沢聖司の、甘酸っぱい恋物語。公開から25年以上経た今も、多くの人から愛され続けています。
この作品に登場する猫の男爵の人形バロンは、本作の人気キャラクターの一つでもあります。その恋人が、ジブリの別の作品にもひっそり登場していることを知っていますか?
バロンにまつわる豆知識を紹介します。
“肖像画”で出演
バロンは、天沢聖司の祖父西司朗が、留学先のドイツから連れて帰った人形です。バロンの恋人は、ルイーゼという名前の白い猫でした。
金ローの公式Twitterは2018年の投稿で、バロンとルイーゼが婚約関係にあったことを紹介しています。
『耳をすませば』の作中には、立ち姿のバロンとルイーゼが並ぶシーンがありますが、ルイーゼは2002年に公開されたジブリ作品『猫の恩返し』にも登場しています。
『猫の恩返し』は、猫の世界を舞台にしたファンタジー映画。物語は、猫の世界に招かれた主人公のハルと猫の男爵バロンを中心に進んでいきます。
金ローの公式Twitterによると、同作でルイーゼが登場するのは、ハルが訪れた「猫の事務所」の場面。壁に飾られた肖像画に描かれている白い猫がルイーゼだといいます。
グリーンの傘をさし、ドレスと帽子を着用した姿が高貴な印象を与えています。
離ればなれになった切ない理由
婚約していたバロンとルイーゼですが、その後離ればなれになってしまいます。
なぜルイーゼはバロンのもとを離れたのでしょうか?
金ローの公式Twitterは、次のように背景を明かしています。
「バロンのいいなずけの人形として対で作られたルイーゼは、修理のためにバロンの元を離れ、そのまま別れ別れになってしまいます」
「バロンは今も、恋人・ルイーゼの消息を探し続けているのかもしれませんね・・・。」
さらに、『耳をすませば』の作中では、バロンとルイーゼの離別の詳しい経緯について司朗が雫に伝えています。
司朗のドイツ滞在中、ある女性が、「バロンの恋人の人形が修理から戻ってきたら(自分が)引き取って、2つの人形を一緒にする」と申し出ました。
元の所有者からバロンを譲り受けた司朗は、「必ず迎えにくるから、それまでバロンの恋人の人形を預かってほしい」とその女性に依頼したものの、戦争が始まり約束を果たせませんでした。戦後、司朗はドイツを再訪しましたが、女性の消息もバロンの恋人の行方も分からなかったといいます。
バロンにはモデルがいた?
根強い人気を誇るバロンには、実はモデルがいたと言われています。
金ローの公式Twitterの2019年の投稿によると、バロンのモデルは、『耳をすませば』の原作者・柊あおいさんが所有する猫の人形。人形は銀座のデパートで売られていたそうです。
投稿では、「柊先生はこの猫の人形を使ってファンタジーを描きたいとずっと構想を温めていたそうですよ」と解説しています。
『耳をすませば』『猫の恩返し』という2作品に登場するバロンですが、それぞれ異なる俳優が声を吹き込みました。
『耳をすませば』では露口茂さんが、『猫の恩返し』では袴田吉彦さんがバロン役を担当しました。