清川元夢さん死去に庵野秀明さん「まだ新たな役を…」。エヴァ声優陣からも追悼相次ぐ

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』冬月コウゾウ役などで知られる清川元夢さんの訃報を受け、庵野秀明監督や声優仲間が追悼メッセージを続々と投稿している。
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庵野秀明さん= 2014年10月26日
TOSHIFUMI KITAMURA via AFP

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』冬月コウゾウ役などで知られる声優で、俳優の清川元夢さんが8月17日、肺炎により死去した。87歳だった。

『エヴァンゲリオン』シリーズで知られる庵野秀明さんは22日、代表を務める株式会社カラーの公式ツイッターでコメントを公開。

また、『エヴァンゲリオン』で共演した声優仲間が追悼の言葉を贈った。

■庵野監督「笑顔は忘れません」

庵野さんは「学生のころから大ファンだった清川元夢さんが御逝去されました。まだまだ新たな役をお願いしたかったのに、残念でなりません」と悼んだ。

さらに、生前の清川さんとの思い出話も振り返った。「偶然新宿駅でお会いした時に『庵野ちゃん。エヴァ早く終わらせないと俺、いなくなっちゃうよ』と笑顔で話され、シン・エヴァの2回目のアフレコ時に『庵野ちゃん、間に合って良かったね』と笑顔で去っていった清川さんを、最敬礼でアフレコスタジオ出口で見送ったのが、今生の別れとなりました。深く御悔やみ申し上げます」

コメントの最後には、「色々出ていた過去作品の裏話を楽しそうに話されていた時の笑顔は忘れません。ありがとうございました」と感謝の言葉で締め括った。

「稀有すぎる先輩」「本当にかっこよかった」

同作の碇シンジ役を務めた緒方恵美さんは、ツイッターで「清川元夢さん。役者の真髄を熟知しながら時代の流れを的確に捉え、ハイパフォーマンスな昔からナチュラル志向すぎる今までの流れゆく業界の旬の芝居の中…昔から今のような自然で、かつ昔の良き芯を伝える演技を貫き続けた、稀有すぎる先輩でした。清川さんのように在りたい。ずっと思ってました」と投稿。

続けて、「95′当時、時代の先端をゆく #エヴァ の現場で悩む私に、現代でもうなづけるアドヴァイスを的確に下さった唯一の先輩。ご一緒した後の笑顔が励みでした。いつまでもずっとご一緒したかった」と心境を明かした。

鈴原トウジ役の関智一さんは「清川元夢先輩が亡くなられた。デビュー当時同じ事務所だった事もあり、度々ご一緒する機会に恵まれ、大変お世話になりました。芝居に厳しく、よく叱られて怖いな〜と怯えてました(笑)でも本当は優しくて思いやりのある可愛い方で、時折見せる悪戯っぽい笑顔が大好きでした。先輩お疲れ様でした!」との言葉を贈った。

アスカ役の宮村優子さんは「冬月指令を演じられてる時のマイクに向かう後ろ姿が本当にかっこよかったなぁ。かっこつけてる、とかじゃなく もう自然に立ち姿がかっこよくてねぇ。演技の合間の監督とのやりとりとかも全部なんか、粋で自然で紳士で、ああ役者ってこういうかっこいい人の事なんだなーって勉強させてもらいました」と振り返った。

清川元夢さんは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』冬月コウゾウ役の他にも、『ふしぎの海のナディア』ガーゴイル役、『機動戦士ガンダム』テム・レイ役などを担当し、ゲームでは『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』ルイゾワ役を務めた