夏の料理に彩りを添えるオクラが旬を迎えています。色も鮮やか、切り口もかわいらしい五角形をしていて、独特の粘りもあり人気があります。
このオクラ、筋が残っておいしくないものにあたってしまったことはありませんか? ウェザーニュースで「スジの残るオクラを食べた経験は?」というアンケート調査を実施したところ、「ある」という回答が42%にのぼりました(2022年7月20〜21日実施、10,163人回答)。
中には噛みきれないというほど固く筋っぽいオクラもあるようですが、できるだけそういったオクラは避けたいですね。そこで、おいしいオクラの選び方を千葉県船橋市の青果店、大吉青果の大久保沙英子さんに伺いました。
オクラはあっという間に大きくなる
オクラはアフリカ原産の野菜で、日本には江戸末期に入って来たそうです。
「花も美しく、最初は観賞用として栽培されていたのが、昭和40年代ごろから食用として普及したといわれています。
原産地がアフリカということもあり、高温を好む野菜で、気温が高くなると驚くほど急に大きくなります。大きくなりすぎると固く筋っぽくなり、種も大きく渋味が出てきてしまいます。栽培農家は、ちょうどよい大きさでの収穫に神経を使う所です」(大久保さん)
おいしいオクラの選び方
おいしいオクラを選ぶコツはありますか?
「まずは何より鮮度が大切です。オクラの表面にはうぶ毛がびっしりと生えています。鮮度のよいものはこのうぶ毛が目立ちます。また切り口が新鮮なもの、ヘタのまわりが黒ずんでいないものを選んでください。
ヘタにガクがついたまま出荷されて店頭に並ぶものもあります。そうしたものは、ガクがピンとして緑色をしているものが鮮度の良い目安になります。
次にポイントになるのが大きさです。大きくなると固く筋が出てくるので、品種にもよりますが、一般的には8~10cmぐらいのものがよいでしょう。
さらに、全体に緑色が濃くて透明感があれば、若くてやわらかいものが多いです。うちで扱うものはネット入りのものがほとんどですが、ネットの上からでも色の区別はつくと思います。逆に大きめで白っぽく、角がしっかりしすぎているものは育ち過ぎて固くなりがちなので避けてください」(大久保さん)
丸オクラ、白オクラ、赤オクラも
よく見るオクラは五角形で緑色ですが、その他にもいろいろな種類があるそうです。
「よく見かけるもの以外に、『赤オクラ』『白オクラ』などの色変わり、主に沖縄で栽培されている角のない『丸オクラ』、15cmぐらいになっても柔らかいオクラもあります。
赤オクラは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれていて、生の状態では赤い色をしていますが、ゆでると緑色に変わるちょっと不思議なオクラです。
オクラは種類によって粘りの強弱があり、また生がおいしいもの、加熱した方がより粘りが出るものなどさまざまです。珍しいオクラを見かけたら、ぜひ買って食べ比べてみてください」(大久保さん)
オクラは、水溶性食物繊維が豊富です。その他にもビタミン、カロテン、ミネラルなどが多く含まれていて栄養価が高い野菜の一つです。夏バテで体調を崩しがちな今の時期に、あえものやおひたし、薬味にと積極的に取り入れていきましょう。
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