投資トラブルの渦中にあると報じられ、所属事務所を退所ーー。
お笑いコンビ「TKO」の木本武宏さんをめぐる話題が波紋を広げている。
木本さんが所属していた事務所「松竹芸能」は7月23日、「TKO木本武宏について」と題したコメントを発表。木本さんからの希望があったとして、木本さんとの契約を終了したと明らかにした。
一体何があった?事務所「全容の把握には至っていない」
その経緯について、「7月初旬に個人的な投資活動に関しトラブルが発生しているのではないかという情報が弊社に届いたため、本人への事情聴取を重ねてまいりました」「一部の情報は得られたものの、全容の把握には至りませんでした」と記した。
“投資トラブル”の内容については、「弊社も独自で情報収集を行ってきましたが、具体的にどういったトラブルが起きているのか、本人がご迷惑をお掛けしている側なのか、被害を受けている側なのか等の全容の把握には未だ至っておりません」としている。
一方で、「トラブルの内容によっては、出演番組や関係取引先様等にご迷惑をお掛けする可能性があると判断し、先んじて出演者変更等を申し入れておりました」とし、木本さんの番組出演の見合わせなど、活動を自粛していたことを明かした。
木本さんもこの日、自身のTwitterを更新。「この度はお騒がせしてしまい申し訳ありません」と謝罪した上で、所属事務所の退社を報告した。「必ず近日中に事の経緯をきちんと説明させて頂く所存です」ともつづった。
投資話を持ちかけた?「5億円以上」との報道も
木本さんは7月21日、「親交のあるタレントや芸人、スタッフらに投資話を持ちかけ、お金を集めていたが、一緒に投資を進めていた人物と連絡がつかない状態になった」などと報じられた。
木本さんが集めた金額は「5億円以上に上る」とも報じられ、お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇さんも投資をしていたという。
危険な投資話に引っかからないためにはどうすれば?
木本さんは出資金を預けた相手に対して法的措置を取るべく動いているとも報じられているが、“投資トラブル”の全容は明らかになっていない。
木本さんが周囲に持ちかけたとされる投資案件は、仮想通貨ではなく、FX(外国為替証拠金取引)と不動産関連だったなどとも報じられているが、危険な投資話に引っかからないためにはどうすればよいのだろうか。
金融リテラシーの向上をめざし、金融教育の普及に取り組む一般社団法人「日本金融教育推進協会」代表理事の横川楓さんに聞いた。
「信頼できる知人であっても、個人にお金を預けることはとても危険」
ーーまだ全容は明らかになっていませんが、今回の「TKO」木本さんの投資をめぐるトラブルについての報道をどのように受け止めておられますか?
現状で報道されている金額的に見ても、個人間でお金を介した投資話がいかに危険かというのが顕在化したのではないかと思います。
いくら信頼できる知人であっても、個人にお金を預けることはとても危険なことです。
ーーこうした“投資トラブル”に巻き込まれないために、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか?
株式や投資信託の購入、FXの取引などの投資を行う際、一般的には銀行や証券会社などの金融機関を通して行います。
証券会社はまずは分別保管という仕組みがとられており、預かった資産を証券会社自身の財産と分けて保管していれば、仮に証券会社が破綻しても返還されます。
また、何らかの理由によりその返還が難しい場合、1顧客あたり1000万円までは補償される制度があります。
しかし、個人の場合、そういった決まりはありません。個人を介した投資というのは法的措置を取るなどをしない限り、トラブルが起きても補償がされないものという認識をまずはもつ必要があります。
投資をするのであれば必ず金融機関を介した取引をしましょう。
ーー岸田政権が「貯蓄から投資へ」を掲げるなど、「投資」に注目が集まっていると感じますが、今回の“投資トラブル”をめぐる報道から私たちが学ぶべきことはどんなことでしょうか?
SNSなどをみていても、「この投資商品や仮想通貨を買えば絶対利益が出る!」というような話題を見かけることがあります。
“お金が儲かる”と言われると嬉しくなり、つい話にのってしまいたくなってしまう人も多いかもしれませんが、どんな投資であっても必ず損をするリスクがあること、そして投資は「損をしてもいい」と思える余剰資金で行うようにすることを気に留めておきましょう。