息子が推しのプリキュアに会った。その最高の顔を見て「曇りがちな大人の目」に気づいた話【2022年 上半期回顧】

近所で行われたプリキュアの撮影会。見渡す限り男の子は我が子しかおらず、最初はドキドキしたけれど、見ることができたのは息子の最高の顔だった。【2022年 上半期回顧】

2022年上半期にハフポスト日本版で反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:5月22日)

プリキュアが大好きな息子。

ある日「推し」に直接会えることになった。

会場は女の子ばかり。見渡す限り、男の子は我が子しかおらず「ドキドキしてしまった」というお母さん。

でも、見ることができたのは息子の最高の顔だったーー。

そんな育児の体験漫画がTwitterで話題を呼んでいます。

 

「息子が推しに会いました」

漫画を投稿したのは、育児に関するイラスト・漫画をTwitterで発信し、書籍のイラストなども手がける、こげのまさき(@koge_diary)さん(※育児漫画をまとめた「むすことわたし全力まいにち!」はこちらから)。5月19日に「息子が推しに会いました」という全8ページの漫画をTwitterに投稿すると、6万以上の「いいね」が寄せられました。

現在3歳のこげのまさきさんの息子。

近所で、子どもに人気の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」と「デリシャスパーティ♡プリキュア」の2つのイベントが行われることに。

息子が選んだのは、プリキュアでした。イベント前からプリキュアに会えることを心待ちにしていて、宝物の「ニンニンジャー」の人形を見せると意気込んでいました。

当日イベントに向かうと、見渡す限り女の子ばかり。「男児一人で来てるのはうちだけっぽいなと、ついドキドキしてしまった」と、こげのまさきさんは振り返ります。

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息子が推しに会いました(1)
TWITTER / @koge_diary
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息子が推しに会いました(2)
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そして始まった撮影会。

息子の前に、キュアプレシャス(『デリシャスパーティ♡プリキュア』に登場するキャラクター)が現れるとーー。

ハッハワ…

ハワ…ハワワワ!!!

ハワーーッ!!!

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息子が推しに会いました(3)
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推しを目前に、完全にかたまる息子。

いつものカメラを向けた時に見せる様子とは異なり、得意なおしゃべりも出てきません。

そんな様子を見て、こげのまさきさんはこう思いました。

今まで男女関係なくなんでも好きなものを好きになってな!と思ってたつもりだったけど、それでも今回来る前はつい、『プリキュアの方でいいの? ドンブラも来るよ?』なんて言ってしまったり、『やっぱり女の子ばかりだな』とか気にしたり。

でもそんなの周りの子も息子も全然気にしてなかった。

そんなものを気にしてたら、息子のこの最高の顔を見られなかったかと思うと、気になんかしている場合じゃない!! 来てよかった!!

分かってたつもりでも無意識に大人の目は曇りがちで周りを気にしてしまうんだなと反省しました

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息子が推しに会いました(4)
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ちゃんと「好き」を貫いてくれた息子。

そして緊張して固まる息子に目線を合わせ、「神対応」で接してくれたキュアプレシャス。

気にしないでくれた、まわりのお姉さんたち。

「ありがとう」という気持ちが芽生えたという、こげのまさきさん。

プリキュア、ヒーロー、電話、踏切、信号…。「今後も息子の好きが赴くまま、遊びまわりたい」。そう改めて思うようになったといいます。

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「これからも息子の“好き”を大切に」

普段からプリキュアが好きだというこげのまさきさんの息子。ハフポスト日本版の取材に対し、「息子は、マスコットのキャラや、キラキラした姿、ダンスが好きなようで、アニメが放映している時には、ダンスを一緒に踊ったりもしていました」と明かします。

小さい頃に言われた「女の子なんだから」「男の子なんだから」という言葉。ジェンダーステレオタイプの押し付けなどによって、好きなものを好きと言えなかったり、無理に好きなものを変えようとして苦しんだりした経験のある人は、少なくないのではないでしょうか。

こげのまさきさんの漫画には、多くの共感の声が寄せられています。

「うちの息子もプリキュア好き。このまま好きなものは好きって言える子になって欲しいなあって思った」

「性別とか関係なく好きの気持ちを大事にしたい」

「誰も『男の子なのに』と否定せず、好きなものを好きでいいとしてくれる優しい世界だった」

「自分もうっかり思い込みで小さい子を悲しませたりしないように気をつけようと思える」

リプライ欄には、こげのまさきさん親子とは「逆」で、娘が「ドンブラザーズ」と一緒に撮ったという写真を投稿する人も。

こうした反響を、こげのまさきさんは、「息子のとても良い顔が見れましたので、これからも彼の好きを大切にしていきたいと思いました。息子と同じような体験をしている方から多くコメントをいただけてとても嬉しいです」と話しました。