参議院議員選挙の東京選挙区に立候補していた、れいわ新選組・山本太郎代表の当選が確実になったと、NHKなどが報じた。
山本氏は47歳。1991年に芸能界入りすると、映画「バトル・ロワイアル」(2000年)や「GO」(2001年)に出演するなど俳優としてキャリアを重ねた。
2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故をきっかけに反原発を掲げた政治活動を始め、2013年の参院選・東京選挙区で初当選。2019年の参院選で落選するも、2021年の衆議院議員選挙では比例代表東京ブロックで当選していた。
2022年に衆議院議員を辞職し、参院選に鞍替え出馬すると発表。参院選が終われば、衆院解散がない場合およそ3年間選挙がなくなってしまうことから、権力を持つ人にとって「黄金の3年間になる」と主張し、「政治の暴走をなんとしても食い止めなければいけない」と話していた。
山本氏は選挙戦で消費税の廃止などを訴えていた。廃止をすれば「毎日が10%オフ」になるとし、景気浮揚効果もあるなどと主張していた。
これに相反する見方を示していたのが自民党の茂木敏充・幹事長だ。
茂木氏は6月27日、茨城県水戸市内で行われた街頭演説で「選挙が近づくと、野党の皆さん、必ず消費税を下げます、そういうことを年中行事のように言い出すわけであります」と揶揄したうえで「年金、医療、介護、子育て支援、この社会保障の大切な財源なんですよ。もし野党の言ったような形にするとですね、年金も3割削らなきゃいけない。その財源を。そんなことができますか?非現実的なんですよ」などと訴えていた。
この発言には、消費減税をさせないための「自民党の脅しだ」などとネット空間で批判の声が上がった(なお「年金『給付額』が3割カットされる」との投稿もあったが、茂木氏が言及したのは年金『財源』であってこの2つは異なる)。
6月29日に福岡市博多区のJR博多駅で行われた山本氏の街頭演説でも、茂木氏の発言に対する見解を尋ねる質問が聴衆から上がった。
山本氏はこれを「嘘です。関係ないです。ご心配なく」と一蹴。基礎年金には消費税収も使われると認めたうえで「それとは別に通貨発行をすればいい。消費税を無くせば景気が良くなる。景気が良くなれば税収が増える」と主張した。
そして消費税収の多くは「金持ちに減税、大企業に減税、穴埋めとして使われている」とした。