「中絶はすべての女性にとって基本的な権利」米最高裁判断に世界のリーダーが続々発信。岸田首相は?

カナダのトルドー首相、フランスのマクロン大統領、WHOのテドロス事務局長…。女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を覆したアメリカ最高裁の判断に、非難の声を上げています。
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(左から)フランスのマクロン大統領、カナダのトルドー首相、WHOのテドロス事務局長
Associated Press

アメリカ連邦最高裁判所が6月24日、1973年に女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」をおよそ半世紀ぶりに覆す判断を下したことを受け、世界のリーダーから反発の声が上がっている。

トルドー首相「恐ろしいニュース」

カナダのトルドー首相はいち早く反応した。「アメリカから届いたニュースは恐ろしいものです」とTwitterに投稿し、「私の心は、中絶をする法的な権利を失いそうになっている何百万人ものアメリカ人女性とともにあります。みなさんがいま感じている恐怖と怒りは想像もつかないものです」と語った。

トルドー氏は、アメリカ最高裁の判断を非難するスピーチをFacebookにも投稿。「アメリカ最高裁は女性のみならずすべての人の自由と権利を攻撃した。カナダでは私たちは常に女性の選ぶ権利を守ります」などと訴えた。

マクロン大統領「中絶はすべての女性にとって基本的な権利」

フランスのマクロン大統領も「中絶はすべての女性にとって基本的な権利です。それは保護されなければなりません」とTwitterに投稿。「私は、アメリカの最高裁によって自由が損なわれようとしている女性たちとの連帯を表明したいと思います」ともつづり、女性の自由と権利への支持を表明した。

WHO事務局長「安全な中絶は命を救うもの」 

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長もアメリカ最高裁の判断への反論を表明。「安全な中絶はヘルスケアです。命を救うものです」とTwitterに投稿し、「それを制限することは、女性や少女を安全でない中絶に向かわせ、合併症を引き起こし、死にいたることさえあります。その証拠は反論の余地がありません」と強く訴えた。

さらに、「ロー対ウェイド判決」が覆されたことについて、「懸念し、失望しています」ともつづり、「女性の権利とヘルスケアへのアクセスの両方を低下させるものです」と訴えている。

岸田首相は…?

一方、日本の岸田文雄首相は6月26日未明、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するため、政府専用機でドイツに向け出発した。

26日朝、自身のTwitterを更新し、「現在、G7サミットとNATO首脳会合に出席するため欧州に向かっています」とし、「参院選の最中ではありますが、今まさに世界の国際秩序が揺らいでいる中で、日本の国益を守るために、そして世界の平和と秩序を守るために、日本の総理大臣として各会議に参加することは、大きな意味があると思っています」と投稿した。

26日朝までにアメリカ最高裁判断についてや女性の権利についての見解はTwitterには投稿していない。